今回は、日本語の「言う」「話す」にあたる31の英単語(音声つき)の違いと使い分け方を例文を挙げて説明します。
「言う・話す」を表わす単語はたくさんあるので、類義語と関連語をまとめました。一度目を通し、頭の中をすっきりさせるのにお役立てください。記事の後半では、こうした類義語をまとめた参考書をご紹介します。一冊持っていると便利です。
英語の「言う・話す」などの使い分け方
※英単語・熟語の左にある をクリックまたはタップすると、音声が聞けます。
<言う>
say | (内容のあることを)言う、示す |
何かを「言う」という意味で、発言の内容に重点がおかれる場合。
“What did you say to her?” “I said nothing.”
「彼女に何と言ったの」 「何にも」
utter | 口に出す、発言する |
「発する」という意味で、声・言葉だけでなく、ため息や喜びの叫びなどにも使う。
No matter how angry he got, he didn’t utter a word of protest.
彼はどんなに怒っても、抗議の言葉は口に出さなかった。
<話す>
speak | 話す、語る、演説をする |
言葉を発することや話し方に重点がおかれる場合。改まった話をする時に使う。会話というよりも一方的に話す様子。
Our baby is learning to speak.
うちの赤ちゃんは口をきくようになってきました。
talk | 話す(続いて話しかける)、話し合う |
(打ち解けた)少数の人たちと会話をかわすときに使う。自分の考えを語ることに重点が置かれる。重要なことについて話し合う場合にも使う。
She is talking to her neighbors.
彼女は隣人たちと話をしている。
tell | 話す、知らせる、伝える |
告げる・ 知らせるという意味の最も一般的な語。
He told me that he would be right back.
彼はすぐ戻ってくると私に言った。
inform | 知らせる、伝える |
特に公的な方法で情報を知らせる。tellよりも改まった語。
Do keep me informed of any changes.
どのような変更も、必ず私に知らせてください。
report | 報告する、伝える |
Several people reported seeing the boy.
数人がその男の子を見たと報告した。
retell | 話す、再び語る、語り直す |
再び語る場合や、やさしく、または別の言葉で語り直す場合に。
It’s Sleeping Beauty retold with a different twist.
それは『眠り姫』を違った扱い方で語り直したものです。
discuss | 話し合う、議論する |
真剣にまたは正式に話す場合に。
I discussed my hopes at length with my father.
私は父と私の希望についてじっくり話し合った。
<物語る>
relate | 話す、物語る |
自分が見たり経験したことを順序よく話す場合に。
She related to her husband all that had happened during his absence.
彼女は夫に留守中の出来事をすべて話した。
narrate | 話す、物語る |
物語を語るときに使う。
The sailor narrated his adventures.
水夫は冒険談を語った。
recount | 詳しく話す、順を追って話す |
話を聞かせる、または出来事をくわしく説明するときに。
Alan recounted how he and Joyce had met.
アランは自分とジョイスがどのように出会ったかを詳しく話した。
<おしゃべりをする>
chat | (打ち解けて)雑談する、おしゃべりをする |
誰かとくつろいだおしゃべりをする場合に使う。
They chatted about their new teacher.
彼らは新任の先生についておしゃべりをした。
chatter | ペチャクチャしゃべる、くだらないことをしゃべる |
たわいのないことについてペチャクチャとしゃべる場合に。
Stop chattering and finish your work.おしゃべりはやめて仕事をすませなさい
おしゃべりはやめて仕事をすませなさい。
converse | 談話を交わす、会話をする |
chatより硬い表現で、意見や情報交換のために会話する場合に。
Could I have you converse with her in English?
彼女と英語で会話していただいてもいいですか?
ramble | とりとめもなく話す |
長々ととりとめのない話をすることで、何が言いたいかが分からない場合に。
His speech rambled on.
彼の話はとりとめなく続いた。
<述べるなど>
mention | ~に言及する、~の名をあげる |
~を話に出す、(功績などをたたえて)~の名をあげる場合に使う。
Tom didn’t mention the price to me; only that he’s willing to sell.
トムは私に値段は言わないで、ただ売りたいとだけ言った。
state | 《はっきり[詳細に]》述べる、【法】陳述する |
口頭、または書面で「述べる」という意味。
The minister stated that he would visit China soon.
大臣は近く中国を訪問する意向を表明した。
express | (言葉で)表現する、自分の思うことを述べる |
感情や意見などを言葉で示す場合に。
I cannot express how grateful I am for your kindness.
あなたのご親切にどんなに感謝しているか言葉に表せません。
<宣言する>
declare | 宣言する、断言する |
公に正式に述べる場合に使う。
The chairman declared the meeting open.
議長は開会を宣言した。
proclaim | 《公けに》 宣言する、公布する |
正式に、または公に知られるようにする場合。
Peace was proclaimed.
平和宣言がなされた。
pronounce | 発音する、〔判決など〕を宣告する |
正式に、公式にまたは公然と与える場合。
He was pronounced guilty.
彼は有罪と判決された。
enunciate | 明確に系統立てて述べる、宣言する |
考え・意見などを明確に述べる、理論・主義などを宣言する場合。フォーマルな語。
He enunciated the principle that nothing is free.
自由なものは何もないという原理を彼は明確に述べた。
<主張するなど>
remark | (意見として)述べる、批評する |
気づいたことを所見として述べる場合に使う。
He remarked that I had done very well.
君は実に良くやったと彼は言ってくれた。
affirm | 断言する、肯定する |
(再度繰り返したり、質問に答えて)断言する、肯定する場合に。
I affirmed that he was innocent.
私は彼が潔白だと断言した。
insist | 主張する、言い張る |
自分が~すると言い張る、他の人が~をするべきだと言い張る場合に。
She insisted that you should be invited to the party.
きみを会に招待すべきだと主張した。
articulate | はっきり話す、明確に表現する |
明確に言う、または自分の考えや感情を表現する場合に。
Only a handful of activists are articulate our union.
我々の組合では一握りの活動家だけがうるさく言っている。
claim | 《当然の権利として》 要求する、主張する |
権利があると考えて、または自分のものだと考えて、政府や会社などに何かを求める場合に。
Don’t forget to claim for your travel expenses when you get back.
戻ったら出張費を忘れずに請求してください。
<演説するなど>
declaim | 熱弁をふるう、弁じたてる |
(身ぶり手ぶりをまじえて)演説調で話すときに。
Lee stood up and began to declaim a speech.
リーは立ち上がって熱弁を振るい始めた。
address | ~に向けて話す、演説する |
重要なスピーチを聴衆に向けて行うときに。
The Mayor addressed a large audience.
市長は大聴衆を前に演説した。
discourse | 話す、語る、講演する |
自分がよく知っていることについて、長いスピーチを行うときに。
He discoursed for hours on the problems of the education system.
彼は教育制度の問題について何時間もの講演をした。
類義語のよく分かる参考書
類義語の使い分け方は、たくさんの英文を読む中で自然に覚えていければいいのですが、この方法では非常に時間がかかってしまいます。そこで、特に類義語に着目してまとめられた参考書をご紹介します。頭の中を整理するのに最適。一冊持っていると便利です。
意味の違いをイメージしやすい『ビミョウな違いがイラストでわかる! 英単語 類義語事典』
意味の強さなどの感覚が身につく『英単語使い分けグラデーションマップ』
「話す」などのテーマごとに、対象との距離感や気持ちの強さなどの順に並べて図式化してあるので、目で見て分かりやすい。
収録語数が多くて長く使える『英検1級英単語大特訓 MP3CD-ROM付き』
中級~上級用。自分の語彙力に応じて難易度の低いものから順に覚えていけるので、英検とは関係なく、似た意味の単語をまとめて覚えるのに便利。
前後の語(コロケーション)や例文も載っているので、単語の使い方も分かりやすい。収録語数が多いので、長く使えます。