英語速読 スラッシュリーディングの区切り方を例文と和訳で解説

slash英語の速読法

意味の区切りごとにスラッシュ(/)を入れながら、英語を前から語順のまま読む方法を、スラッシュリーディングといいます。速読の練習で最初に行われるものです。スラッシュの入れ方(区切り方)、練習の方法、頭の中で声を出す(音声化する)かどうか、速読のスピードの上げ方などについて、スラッシュごとに和訳をつけた例文を挙げて詳しく解説します。

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まずはSGリーディングから

英語の文章を速く読む「速読」の技術の中では、まずSGリーディングから覚えるのが最も効率的です。SGはセンスグループ (sense group) の略で、意味のまとまりを表します。

このSGリーディングの練習方法ですが、初めのうちは鉛筆などを手に持って、意味の区切りごとにスラッシュ(/)を入れながら読んでいきます。この方法をスラッシュリーディングと呼びます。

スラッシュリーディングのスラッシュの区切り方

言語の意味の伝達は、センスグループを単位として行われていて、例えば People grow through experience if they meet life honestly and courageously. という文は、[People grow] [through experience] [if they meet life] [honestly and courageously.]という4つのセンスグループから成り立っています。

センスグループごとにスラッシュを入れてみます。

People grow / through experience / if they meet life / honestly and courageously.

意味の解釈も [People grow 人は成長する] [through experience 経験の中から] [if they meet life 人生に接していれば] [honestly and courageously. 誠実さと勇気を持って。] というようにセンスグループ単位に、与えられた語順通りに行います。

「返り読み(戻り読み)」の癖がついている人は、この文を「人生に誠実さと勇気を持って接していれば、人は経験の中から成長していく。」というふうに語順を日本語の語順に直してから理解しようとします。日本語としては正しいのですが、このやり方では文の最後まで読まないと解釈に取り掛かれず、何度も文を往復して読むことになります。そうすると時間もかかり、文が長くなるにつれて理解力も落ちてきます。

1文20語を超えるような長文を読んだときに、もう一度最初に戻って読み返さないとよく理解できないという場合は、センスグループ単位で前からどんどん解釈していないためです。

リスニングの場合は特に、音は消えていってしまいますから、聞いた端から英語の語順のまま、センスグループごとに解釈していくことが一層大切になります。リスニング力を向上させるためにも、SGリーディングのやり方を身につけることが必要です。

スラッシュリーディングの和訳つきの例文

センスグループの区切りごとにスラッシュを入れ、和訳をつけた例文をもう一つ挙げます。途中で分からない単語が出てきた場合も英語のままにして、そこで止まらず最後まで読み切るのがポイントです。慣れると、全体の文脈の中でどういう意味かおよその推測がつき、分からない単語があっても気にせず読んでいけるようになります。

The ritual [この儀式は]/ has become a regular feature [毎度おなじみのものである]/ on Japan’s evening news. [日本のイブニングニュースで。]/ A solemn-faced man [solemnな顔をした男が]/ in white shirt and dark business suit [白いシャツとダークスーツに身を固め]/ stands behind a jumble of microphones. [マイクのjumbleの前に立つ。]/ He bows deeply from the waist. [男は腰から深く頭をかがめ]/ Then [そして]/ as the cameras continue to click, [カメラのシャッターが立て続けに切られる中で]/ he apologizes [お詫びの言葉を]/ for the trouble his company has caused. [自分の会社の不始末について述べ]/ He pledges to work hard [一生懸命に努力して]/ to regain the trust of the public. [みなさんの信頼を取り戻したいと語る。]/

このように、最初は意味の区切りごとにスラッシュを入れながら、センスグループ単位で理解を積み重ねるという要領で読んでいきます。

それぞれのセンスグループの解釈はスラッシュを入れると同時に行います。通訳訓練では、読んだそばからセンスグループごとに日本語にしていきますが、今回は速読で英語の文章を理解することが目的なので、訳す必要はありません。意味をイメージとして捉えていけばいいわけです。上記の例は、全体の流れの中でそれぞれのセンスグループが大体こんなふうにつながっているとつかむという訳例です。

センスグループの区切りを見分けるための最も有効な方法は、その文を声に出して読んでみることです。そのとき一気に読むまとまりがセンスグループであり、自然に息継ぎが入るところや、イントネーション(抑揚)が下がるところが意味の区切りです。

実際には黙読になることが多いと思いますが、そのときは頭の中で声を出しながら読んでください。棒読みではなく、筆者の息遣いを再現するような感じで読んでいきます。

黙読といっても、みなさん普通は無意識のうちに頭の中で声を出しながら読んでいると思います。いわゆるサイレントスピーチです。英語ネイティブの場合は読みのスピードを上げるために、このような音声化を意識的に避けることがあります。それは1分間に500語とか1000語を超えるような速さを目標にするときです。非ネイティブで、この速さを目指しているのでないなら、当面は音声化をしたほうが、英語力や速読の力は伸びます。

というのは、1分間に500語を超えるスピードで読むとなると、スキミングとかスキャニングと呼ばれる、いわば全体の要旨をすくいとるような飛ばし読みになります。そうなると、それぞれの英語の文章が本来持っている抑揚、強弱、緩急、間の取り方といった、いわゆるプロソディー(prosody)を一切無視することになります。

英語ネイティブの場合には、このプロソディー感覚というものが自然に身に備わっていますから問題ないのですが、英語を外国語として学んでいる身には、当面このプロソディー感覚を身につけるというのが大きな課題であり、この感覚が身についていないと、話したり聴いたりという実際のコミュニケーションに支障をきたすことになります。

英文を読むときに頭の中で声を出しながら読むべきだというのは、それによってこのプロソディー感覚も同時に強化していこうということなのです。抑揚、強弱、緩急、間の取り方などを、頭の中でできるだけ忠実に再現するように読むことが大切です。いわば、「聴くように読む」ということです。

こういう読み方をすると、最初のうちは読みの速度が上がりにくいと思われるかもしれませんが、プロソディー感覚を身につけることのほうがはるかに重要です。これがないと、のちのち、150wpmから200wpmのあたりで伸び悩むことになります。

次はスラッシュを入れずに練習

スラッシュリーディングに慣れてきたら、今度はスラッシュを入れずに読むSGリーディングの練習に移ります。ここが区切りだと意識するだけで、手は動かしません。これができるようになれば、おのずと読むスピードが速くなり、リスニングの力も飛躍的に向上しているはずです。

これからしばらくの間、英語の文章を読むときには意識的にSGリーディングの練習をしてみてください。

前回の記事 通訳者訓練法による英語速読でwpmを大幅アップするには? で書いた調査で、ニュース記事を速く正確に読めていたグループは、このSGリーディングができていたからこその好成績でした。

次回はスラッシュリーディングの練習をするにあたり、一日に読む分量や、TOEICの得点に結びつける方法について詳しく解説します。

<参考>
高校生向け
大学入試英語長文ハイパートレーニングレベル2 センターレベル編
丁寧な解説つきで、速読と精読の両方の練習ができます。

「イチから鍛える英語長文700」シリーズ(内川貴司,武藤一也著、学研)
スラッシュ訳も載っています。

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