マザー・テレサの名言「愛の反対は無関心」 英語版と意味と解説

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shankar kumar sanyal, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

カトリック教会の聖人マザー・テレサの、「愛の反対は憎しみではなく、無関心です」という名言を耳にしたことはありませんか?

時折耳にするけれど意味がはっきり分からないままだったので、今回はこの名言について調べてまとめました。彼女が献身的な奉仕活動を続けていた動機が、この名言から分かります。

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マザー・テレサの名言「愛の反対は無関心」 意味と英語版

愛の反対は憎しみではなく、無関心です。
―― マザー・テレサ(カトリック教会の聖人、修道女)

The opposite of love is not hate, it’s indifference.
―― Mother Teresa

憎しみは、愛の感情が逆転したものですが、まだ相手を気にかけています。しかし無関心は、相手を完全に見捨て、感情を持たなくなった状態という意味です。

マザー・テレサは、インドで貧しい人や難病患者、身寄りのない人の救済に生涯をささげ、ノーベル平和賞を受賞したカトリック教会の聖人です。彼女は、この言葉を「無関心は憎しみよりも深い傷を与える」という意味で発言したとされています。
 
 
マザー・テレサが、周りの修道女などにに対して語った言葉を集めてみると、より分かりやすくなります。

「愛の反対は憎しみではありません。それは愛がないことです。無関心です。誰にも望まれていないと感じるとき、人は最も深く傷つきます。」

「愛の反対は憎しみではありません。無関心です。人間の最大の苦しみ、悲惨は、自分がすべての人に見棄てられている、自分はもうどうでもよい不要な存在なのだと感じさせられる、その絶望なのです。」

「今日の最大の病気は、らいでも結核でもなく、自分はいてもいなくてもいい、誰もかまってくれない、みんなから見捨てられていると感じることです。最大の悪は、愛の足りないこと、神から来るような愛の足りないこと、すぐ近くに住んでいる近所の人が、搾取や、権力の腐敗や、貧しさ、病気におびやかされていても無関心でいることです。」
 
 
ある人がマザー・テレサに、「こんな人たちを助けても、大して効果はないのではないのか」と言ったところ、マザー・テレサは、「わたしは効果や結果を問題にするのではありません。……この世の中の最大の悪は、こういう人たちに無関心で、愛が足りないことです。」と応えたといいます。

貧しく、路上で死にそうになっている人を施設に連れてきて世話をし、最期だけでも人間らしく扱われ、自分のことを気にかけてくれる人間もいると実感してもらうという活動を、ノーベル平和賞受賞後も続けました。
 
 
こうして見てみると、彼女が献身的な奉仕活動を続けていた動機が分かります。

自分は神から愛を与えられている。そしてキリスト教の修道女にとって、主に仕えることは人に仕えること。

当時、世界で最も貧しく、「世界最悪の居住地帯」と呼ばれたカルカッタのスラム街へ赴き、そこで最も困窮している人たちを助けることが、神のために自分に出来る最高のことだという信念があったのです。

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原作

マザー・テレサがこの句をしばしば引用していたため、日本ではマザー・テレサの名言として有名になりましたが、実は原作者はユダヤ系アメリカ人作家、エリ・ヴィーゼルです。

彼は15歳の時にアウシュヴィッツ強制収容所に送られ、1942年から1945年まで収容されていました。そこでは人間ではなく、ただの番号として扱われ、母と妹をガス室へ送られ、一緒にいた父親も辛い環境のために亡くしました。

収容されている人々はみな苦しく、他の人を助ける余裕もない。その経験から彼は、無関心こそが最も人を傷つける行為であると確信したのです。

戦後、解放されソルボンヌ大学で哲学を学び、ジャーナリストに。渡米して作家、大学教授になります。

エリ・ヴィーゼルは戦後11年もの間、ホロコースト体験については何も書かないでいましたが、友人のフランソワ・モーリアックの勧めにより、自伝的小説 『夜』を書きました。生き残った者の義務として、あの体験を書き記すべきだと考えたそうです。

その後、暴力や圧政や差別を告発する本を書き続けて、1986年にノーベル平和賞を受賞しました。

以下は、1986年10月27日付の US News & World Report からの引用と拙訳です。

The opposite of love is not hate, it’s indifference.
The opposite of art is not ugliness, it’s indifference.
The opposite of faith is not heresy, it’s indifference.
And the opposite of life is not death, it’s indifference.
Because of indifference, one dies before one actually dies.
To be in the window and watch people being sent to concentration camps or being attacked in the street and do nothing, that’s being dead.
―― Elie Wiesel

愛の反対は憎しみではなく、無関心である。
芸術の反対は醜さではなく、無関心である。
信仰の反対は異端ではなく、無関心である。
生の反対は死ではなく、無関心である。
無関心であるがゆえに、人は実際に死ぬ前に死んでしまう。
人々が強制収容所に送られたり、路上で襲われたりするのを、窓際から見ていながら何もしないのは、死んでいるのも同然だ。
―― エリ・ヴィーゼル

 
無関心とは、関心を持たないこと、行動を拒否することです。

最後の行で、不正義に直面したときに無関心でいることの恐ろしさを訴え、人々が互いに愛し合い、理解し合う大切さを説きたかったと考えられます。
 
 
マザー・テレサは、「助けを必要としている人に、私は何かをしなくてはいけない」 という思いから、修道院の外での奉仕活動を始めた人です。

どこかでこの句に触れ、込められている強い思いが胸に響いて、この句を何度も引用したのかもしれません。
 
 
<おすすめの本>
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