古代ギリシアの哲学者ソクラテスの、結婚についての名言とエピソードをご紹介します。達観したような言葉がありますが、それには悪妻で名高い妻クサンティッペとの間にこんなことがあったからで………
ソクラテスの結婚についての考え方
ソクラテスの結婚についての名言や、結婚についての考え方のうかがえるエピソードが、弟子のプラトンやその弟子のアリストテレス、その他、後世の哲学者たちの著作に多く見られます。
ソクラテスの妻クサンティッペは悪妻で名高く、がみがみ屋で乱暴だったといいます。それでもソクラテスはまったく動じませんでした。
ある時、クサンティッペが腹を立ててソクラテスに非難の言葉を浴びせ、頭から好きなだけ水をかけました。するとソクラテスは「クサンティッペの雷は雨で終わると言わなかったか」と答え、特に気にもしませんでした。
広場で取っ組み合いの喧嘩をして、ソクラテスの上着を剥ぎ取ったことも。
一日中、ソクラテスの悪口を触れ回っていたともいいます。
ソクラテスの弟子に、アルキビアデスというアテナイの政治家がいますが、彼は才能、容姿、家柄、人望全てにおいて卓越した人物でした。その彼から菓子をもらった時には、クサンティッペが嫉妬して足で踏みつけてしまいました。ソクラテスは平然として「それではお前も食べられないではないか」と言うだけでした。
ソクラテスの名言に次のようなものがあります。
よりよく生きる道を探し続けることが、最高の人生を生きることだ。
一番大切なことは、単に生きることではなく、善く生きることである。
ソクラテスは「善く生きる」ことを目標としていたので、縁あって妻になった人にひたすら耐え、ときどき教え諭そうとしたそうです。クサンティッペはそれを理解できなかったようですが、ソクラテスが無実の罪で投獄されたときには、取り乱して号泣したといいます。
ソクラテス自身は悪妻にひたすら耐えることで、何があっても「神から見て正しいこと」ができるよう、自分を鍛えようとしていたかのようです。次のような名言を残しています。
もし将軍が私をある部署に配置したら、私はそれを守り、看視せねばならなかったし、またそれを棄てる以前に幾度も死を選ばねばならなかった。それなのに、もし神が私を振り向けてある場所に配置した場合に、それを棄てるべきだと諸君が主張するならば、諸君は滑稽である。
ソクラテスの結婚についての名言
セミは幸せだ。なぜなら物を言わない妻がいるから。
―― ソクラテスの結婚の名言
水車の回る音も聞きなれれば苦にならないものだよ。
―― ソクラテスの結婚の名言
結婚をするべきか、結婚しないべきか。どちらを選ぶにしても、後悔するだろう。
―― ソクラテスの結婚の名言
ぜひ結婚しなさい。よい妻を持てば幸せになれる。悪い妻を持てば私のように哲学者になれる。そしてそれは誰にとってもよいことなのだ。
―― ソクラテスの結婚の名言
(「そんなにひどい妻なら別れたらいいじゃないか」と言った友人に対して)この人とうまくやっていけるようなら、他の誰とでもうまくやっていけるだろうからね。
―― ソクラテスの結婚の名言
(弟子のアンティステネスに「どうしてあんなに扱いにくい女と生活を共にしているのですか」と訊かれて)それは、すぐれた騎手にならんとする者どもも、最も従順な馬ではなく、むしろ気性の荒い馬を手に入れるのを私は見ているからだ。彼らはそういう馬を制御できれば、他の馬はたやすく扱えるだろうと考えているのだから。それで、私もまた人間を扱い、人間と交際したいと思って、あの女を得ているのだが、それは、あの女に耐えうれば、私は他のすべての人間とたやすく一緒にいられるだろうということをよく知ってのことだ。
―― ソクラテスの結婚の名言