「英語が聞き取れない」理由別の対処法 8つの原因を解消!

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英語が聞き取れないときの理由別に、通訳訓練法を応用した対処法を解説します。聞き違いが多い、個々の単語の識別ができない、スピードについていけない、一度だけでは理解できない、聞き終わってみると内容が頭に残っていないなど8つの原因を解消します。

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リスニング力強化

多くの英語学習者にとって、リーディングに比べてリスニングは難しいものです。読むときには、けっこう難しいものでもなんとか読めるのに、聞くとなると簡単なものでも英文が素通りしてしまうとか、音声情報がひとかたまりに聞こえてきて単語として識別できないということが起きてきます。

英語を勉強している人のほとんどが、程度の差こそあれ、こういう状態を経験します。リスニングの教材などを買って勉強してもなかなか成果が上がらないとか、具体的にどのような勉強をしたらいいかよく分からないという人も少なくありません。

そこで今回からリスニング力強化のための勉強法について、いくつかの提案をしたいと思います。今回は「聞き取れない」という現象の正体と、その対処法についてまとめて解説します。

英語が聞き取れない理由

「聞き取れない」という問題は初心者だけの問題ではなく、上級者になってもつきまといます。通訳養成校の生徒にとってもリスニングは大問題で、授業の80パーセントはリスニング力強化のための訓練になっています。通訳という仕事は相手の言うことをきちんと聞き取れないことにはどうにもなりませんから、まずは耳を磨くための訓練を徹底して行います。

通訳に限らず、海外旅行中の日常会話でも、会社での英語会議や英語での電話でも、聞き取れないことには会話が進みません。

通訳養成校でリスニングのときに具体的にどういうところが聞き取れないか、あるいはどこをどう聞き間違えるかを細かくチェックすると、共通して挙がってくる理由は次のようなものになります。

  1. 知らない単語が多くて意味が取れない
  2. 個々の単語の意味は分かるが、フレーズ、またはセンテンスとしての意味が取れない
  3. 聞き違いが多い
  4. 細かいところが抜け落ちる
  5. 一連の音がひとかたまりになって聞こえ、個々の単語の識別ができない
  6. スピードについていけない
  7. 繰り返して聞くと分かるが、一度だけでは理解できない
  8. (複数センテンスを聞いたとき)聞いている間は分かっているつもりでも、聞き終わってみると内容が頭に残っていない

どれも納得がいく理由ばかりですが、このうちのどれが自分にとって、より大きな障害であるかによって、対処法はかなり違ってきます。これから一つずつ、分析と対処法の説明をしていきます。

聞き取れない状態の分析と対処法

1.知らない単語が多くて意味が取れない

これはリスニングの問題ではなく、単に語彙力(単語力)が不足しているわけですから、これが聞き取れない理由の主なものである場合、まずはリーディングを中心とした地道なボキャビルが必要ということになります。

効率的に語彙力をつけるためには、英単語帳と多読という組み合わせが一般的になってくると思います。
たとえば入試や資格試験などの目的に合わせた単語帳とリスニングの問題集。法律、薬学、工学など必要な分野の単語帳と、同分野の英語ニュースや英文雑誌などです。

特にそういう目的がない場合、高校卒業程度の語彙をそろえたいなら、『システム英単語』がおすすめです。
たとえば「厳しい」なら、severe winter weather「厳しい冬の天候」とstrict rules「厳しい規則」のように、語の意味と使い方が分かるのですんなり覚えられます。無料音声つき。レベルはTOEIC800点くらいまで。

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英文を日本人が書いている本には、少し不自然な文の含まれているものがありますが、この本は英語ネイティブが英文を書いているので安心です。

『究極の英単語』には3,000語ずつ、Vol.1からVol.4の4冊があり、重複することなく12,000語まで語彙力を伸ばせます。8,000語でTOEIC満点、12,000語で英検1級レベル。別売りで音声をダウンロードできます。

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2.個々の単語の意味は分かるが、フレーズ、またはセンテンスとしての意味が取れない

これは中学・高校で学習する基本的な文法知識と、句動詞(イディオム)の知識が不足しているためです。文法知識があれば、一連の音声情報を意味のあるメッセージとして認識できるようになりますし、句動詞の知識があり、たとえば「beef up」が「補強する」という意味だと知っていれば、そう聞き取れるようになります。

語彙力の不足の場合と同じように、この問題も「聞けない」というよりは「読めない」という問題ですから、まずは英語の文章を読む量を増やし、目標とするレベルの英文(時事英文なら時事英文)をきちんと読めるようにすることが先決です。そして音声教材による学習を並行して少しずつ行うといいですね。

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3.聞き違いが多い

これはただやみくもに聞いていても、いったん聞き違えたものは何度聞いても同じように聞こえるので、まずは基礎的な「音声文法」の知識を一通り学習しておく必要があります。

[æ]と[ə]の区別といった細かなことよりも、ふたつ以上の単語がつながったときにおこる音の連結(リエゾン)(top it up [tάpitʌ́p])や同化(last year [lǽstʃiə(r)])、脱落(stand by [stǽn baɪ])といった英語特有の音声変化のパターンを知り、これに慣れることが重要です。

こうした音声変化について初心者にもわかるよう解説した参考書としては、『5つの音声変化がわかれば英語はみるみる聞き取れる』が役に立ちます。ダウンロード音声つき。

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なお、このような音声変化が最も頻繁に起こるのは、前置詞、冠詞、助動詞、接続詞、関係詞などの「機能語」を含むフレーズですが、機能語は動詞、名詞、形容詞、副詞などの「内容語」に比べて明瞭に発音されることは少なく、自然な英語ではもともと「よく聞こえない」のが普通です。この部分は文の構造や前後関係から推測して、聞き手が自分で埋めていかなければならない部分です。

ここでも「2.個々の単語の意味は分かるが、フレーズ、またはセンテンスとしての意味が取れない」の項で挙げた「文法知識と句動詞(イディオム)の知識」が聞こえないものを聞き取っていくための重要な手掛かりになります。

「音声文法」にはもうひとつ重要なポイントがあります。「プロソディー」の問題です。プロソディーとは、英語のイントネーション(抑揚)、ピッチ、強勢、リズムなどの総称ですが、とくに文単位での音声情報を正確に聞き取って理解するためには、これの基礎知識が不可欠です。前述の参考書で学習ができますが、英語の文章を大量に聞くことと、音読することでしっかりと身につけることができます。シャドーイングの練習も効果的です。

4.細かいところが抜け落ちる

「3.聞き違いが多い」と同じ理由・対処法です。「3.聞き違いが多い」の項をご参照ください。

5.一連の音がひとかたまりになって聞こえ、個々の単語の識別ができない

「3.聞き違いが多い」と同じ理由・対処法です。「3.聞き違いが多い」の項をご参照ください。

6.スピードについていけない

この点を「聞き取れない」理由の筆頭に挙げる人は多いと思います。「ゆっくり話してもらえれば分かるのに」と思われるのなら、問題は次の2つに集約できます。

ひとつは、「3.聞き違いが多い」の項で挙げた「音声文法」の問題です。ナチュラルスピードで話された英文は、音の連結や同化、脱落、弱化といった自然な音声変化を伴いますから、これに慣れていないと聞き違いが多かったり、細かいところを聞き漏らしたり、一連の音がひとかたまりに聞こえ、個々の単語の識別ができないということになります。

ゆっくり話してもらえば、こういった問題はあまり起こらないのですが、ナチュラルスピードで話された英文を聞き取れるようになるには、前述の「3.聞き違いが多い」の場合と同じ対応策が必要です。

つまり、まず「音声文法」についての基礎的なことをひととおり学習し、次にその実践練習として「音読」と「シャドーイング」を毎日の学習の中に取り入れていく、ということになります。

もうひとつは、情報処理のスピードが情報入力のスピードに追い付いていかないという問題です。いま聞いた英文の意味処理が終わる前に次の英文が聞こえてきて、未消化のまま次々に新しい情報がインプットされてくるという状態です。

仮に、現在の自分の英文の情報処理能力が1分間に100語(100wpm)程度であったとすれば、1分間に160語から180語(160~180wpm)の速さで話される標準的な英語ニュースを聞いた場合、1分間に60語から80語が処理しきれず、素通りすることになります。全体の38~45パーセントが聞き取れないために、意味を理解するのが難しくなるわけです。

情報処理のスピードを上げるには、まずは英語の文章を、目標のスピードで安定して読めるようにすることが先決です。英文を毎日読み、読むスピードを120wpm、140wpmと目標を決めて段階的に上げていくようにします。

この方法については、「通訳者訓練法による英語速読でwpmを大幅アップするには?」の記事に詳しく書きましたので、そちらをご参照ください。

そして、読むスピードを上げていくのと同時に、文字情報と音声情報の橋渡しを図るための学習を取り入れていく必要があります。そのひとつの方法として、「音声文法」の学習、「音読」、「シャドーイング」のほかに、「シンクロリーディング(聞き読み)」をおすすめします。これは、ナチュラルスピードで話されている音声に合わせて英文を読む方法です。これによってリーディングスピードのコントロールができ、また、英語ネイティブの発音を聞き、頭の中でその音をまねながら読むことで、プロソディー(抑揚、強弱、緩急、間の取り方)感覚を身につける訓練にもなります。

7.繰り返して聞くと分かるが、一度だけでは理解できない

もしこれが、ゆっくり話しているものを聞いても起こり、とくに長いセンテンスでその傾向が著しいというのならば、これは「文頭からの情報処理」ができていないことに問題があるものと思われます。(ゆっくり話しているものなら一度で理解できる場合は、「6.スピードについていけない」の項をご覧ください。)

一定のスピードで流れては消えていく音声情報を聞き取って理解するためには、聞いた端から次々に処理していく他に方法はありません。たとえば、次のような英文があったとします。

A successful man is one who can lay a firm foundation with the bricks others have thrown at him.

実際のリスニングでは、一つのセンテンスが終わったとたんに次のセンテンスが聞こえてくるわけですが、とりあえずこの部分だけを聞いた端から理解するとすれば、次のように適当な意味のまとまりごとに、英語の語順に沿って理解を積み重ねていくことになります。

(1)[A successful man] (2)[is one] (3)[who can lay a firm foundation with the bricks] (4)[others have thrown at him.]

ところが、英語を日本語の語順に直してから理解する癖がついている人は、この文を「(1)成功する人とは、(4)他の人から投げつけられた(3)レンガで強固な土台を築くことができる(2)人だ。」というように、原文の語順を崩した形で理解しようとします。

日本語としてはこれで正しいのですが、このやり方ではセンテンスの最後まで聞かないと意味処理に取りかかれません。また、センテンスが長くなるにつれて意味処理にかかる時間も長くなり、結局、英文のスピードについていけないということになります。

この「文頭からの情報処理」がうまくできるかどうかがリスニング上達の重要なポイントになるのですが、そのための訓練として最も有効な方法のひとつが、「英語速読 スラッシュリーディングの区切り方を例文と和訳で解説」の記事で触れた「スラッシュリーディング」です。

通訳者訓練ではこのほかに「サイトラ」と「区切り聞き(スラッシュリスニング)」と呼ばれる訓練方法を取り入れています。

「サイトラ」というのは「サイト・トランスレーション(sight translation)の略で、ある文章をスラッシュリーディングしながら、スラッシュを入れるごとに強制的に訳出していくという読み方です。

前出の英文を例にとりますと、A successful man/ と読んだら [成功する人は] と訳出し、次の is one/ を読んで [こういう人だ] と訳し、さらに who can lay a firm foundation with the bricks/ を[レンガで強固な土台を築くことができる]、 others have thrown at him. を[他の人から投げつけられたレンガで]と訳していくわけです。

意味の分からない単語や訳しにくい語句があった場合には、[bricks で]というように、英語のまま当てはめていきます。訳出の単位は、最初は5~9語程度の長さを目安に、慣れるにしたがって少しずつ長くしていきます。最終的には15語くらいを一度読みで処理できるようになれば十分です。

サイトラの練習の教材としては、さまざまなテーマのニュースを扱い、音声とスラッシュの入れ方、日本語訳、単語欄もついたこの本が便利です。

『BBC WORLD英語リスニングサイトトランスレーション (CD book)』
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「区切り聞き(スラッシュリスニング)」は、これをリスニングに応用したものです。この練習ではややスピードの遅い120~140wpmの音声を使い、適当な意味の区切れごとに一時停止して、直ちにその部分の意味処理をします。通訳訓練では、一時停止すると同時にその部分を口頭で訳出していきますが、通訳を目指す人以外はひとつずつきちんと日本語に訳出していく必要はないと思います。区切りごとに「わかった」という感じを積み重ねていくことができれば十分です。

これも、慣れるにしたがって一時停止の間隔を少しずつ広げていくようにします。途中でよく聞き取れないところがあっても聞き直しせずに、どんどん先に進みます。練習が一通り終わったら、テキストを参照しながら全文をもう一度通して聞き、わからなかったところを確認します。

なお、「区切り聞き」ではイントネーション(抑揚)やポーズなどの音声信号が意味の区切りを判断する重要なキーになります。したがって、この練習は「文頭からの情報処理」訓練とともに、プロソディー(抑揚、強弱、緩急、間の取り方)感知能力のトレーニングとしても有効です。

「区切り聞き(スラッシュリスニング)」と「シャドーイング」の練習には、こちらの本が優秀です。

『CD付 プロ通訳強化メソッド活用 英語スラッシュ・リスニング トレーニング』
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8.(複数センテンスを聞いたとき)聞いている間は分かっているつもりでも、聞き終わってみると内容が頭に残っていない

この問題の主要な原因のひとつとして、「7.繰り返して聞くと分かるが、一度だけでは理解できない」の項で解説した「文頭からの情報処理」ができていないか、あるいは情報処理が不十分であることが考えられます。わかったつもりが積み重なって、最後には内容が頭に残っていないということになるわけです。

もうひとつの原因は、いわゆる「大意把握力」の問題です。長い文章をまとめて聞いた場合、細かいところまできちんと覚えていないのはごく当然のことですが、その「大意」が把握できないとなると問題です。

日本語なら特に大きな問題はないというのであれば、英語の場合も訓練次第でかなり改善することができます。通訳者訓練で、とくに大意把握のために取り入れている訓練方法として、「スキミング」訓練があります。

「スキミング」(skimming)というのは、もともと、文章を読むときに、細部にこだわらず要点のみを拾い読みしていく読み方を指します。「飛ばし読み」ともいいます。これをリスニングに応用すれば「飛ばし聞き」ということになります。

前述の「区切り聞き」は、メッセージの全体を細分化し、同じような比重で聞いていきますが、メッセージの中の重要な部分とそうでない部分の区別はできにくいものです。しかし、実際のリスニングでは細かなことにはあまりこだわらず、要点だけを聞き取っていく能力も大切です。したがって、できるだけ「区切り聞き」と「飛ばし聞き」(スキミング)の練習を交互に行うようにするのが理想的な練習方法です。

スキミングの練習では、少なくとも200~300語程度の長さ(150wpmでおよそ1分半から2分)を単位にし、これを一気に聞いて、その要旨をつかむようにします。スキミング練習の際は、メモを取りながら聞いてもかまいません。ただし、メモは要旨理解のポイントとなるキーワードのみに限定します。

練習がひととおり終わったら、テキストを参照しながら全文をもう一度通して聞き、理解の確認をします。
 

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