15 Productivity Quotes
生産性の向上は、多くは経営者側の責任とも言えますが、ここでは個人レベルでできることについて考えてみたいと思います。
適宜、有名な経営者、指導者の名言15選(日本語と英語)を引用していきますので、お役立ていただければ幸いです。
生産性を向上させる2種類の方法
生産性を向上させるには、大きく分けて2種類の方法があります。
生産性を高めるひとつの方法は、現在やっていることを続けること、ただし今より速く。………もうひとつの方法は、スピードではなく、現在の仕事の性質を変えることだ。
―― アンドルー・S・グローヴ(ハンガリーのユダヤ系アメリカ人の実業家、元インテルCEO)
One way to increase productivity is to do whatever we are doing now, but faster…There is a second way. We can change the nature of the work we do, not how fast we do it.
―― Andrew Stephen Grove
一つ目の方法は、今より少ない労働時間で、今と同じ付加価値を出す。
二つ目の方法は、今と同じ労働時間で、今より多くの付加価値を出す。
このどちらか、または両方が達成できればいいわけです。その方法を詳しく探っていきます。
有意義な仕事をしているという自覚
有意義な仕事をしているという自覚のある労働者がつくった製品は、必然的に高品質の製品となる。
―― ペール・G・ジレンハマー(乗用車メーカー ボルボ元会長兼CEO)
When a product is manufactured by workers who find their work meaningful, it will inevitably be a product of high quality.
―― Pehr G. Gyllenhammar
1970年代初頭、ボルボの社長兼CEOであったジレンハマー氏は、自動車の組み立て工場において、ベルトコンベアー生産方式を廃止し、工員数人のグループで作業台を囲んで自由に話をしながら製造するスタイルを採用しました。
いくつかある仕事を自由に行き来し、仕事のペースを自分で調節し、工員たちが自分の仕事の意味を見出し、満足感を得られるようにするためです。
この転換は労働者に歓迎され、生産技術者らの注目を集めました。コストはかかりましたが、高品質の製品を製造できるようになり、やがて高級車の製造へと移行し、ボルボは世界的な乗用車メーカーへと成長していきます。
いま自分のしている仕事の意義を感じながら満足して取り組めば、やる気が出て、生産性を上げよう、効率を上げようと思わなくても、自然に集中ができるということの例です。
これは企業側が用意した「自分たちにしか造れない高品質な製品を造る」という目標によるものですが、個人でも、自分の仕事の意義についてよく考えることが大切です。「自分がこの仕事をすることによって、こういう人のこういう役に立っている」などの意義を念頭に置き、高い目標を持っていれば、集中するのは容易になります。
行動を管理する
何が重要か、まずはそれを決めよう。それから自分にとって重要と決めた仕事を、より能率よく、効果的にこなす方法を見つける。
―― ケリー・グリーソン(ビジネス・テクノロジー協会の創設者・会長)
仕事を効率化するのに必要なのは、「時間管理」ではなく、「行動管理」です。1日24時間、365日の間、ずっと時間をコントロールすることなど不可能。しかし、限られた時間の中でどのように行動するかを考えることはできます。
―― 吉山勇樹(よしやま ゆうき、株式会社ハイブリッドコンサルティング 代表取締役CEO)
仕事に優先順位をつけ、重要なものから、が基本です。
時間を割り振る
「この業務には2時間かける」と見積もって時間内で終わらせる工夫をしている人と、目の前の仕事から手をつけて、終わったら次にとりかかるという働き方をしている人とでは、業務効率がまったく違ってきます。
―― 小室淑恵(ワーク・ライフバランス社長)
30分刻みの目盛りの入ったスケジュール帳などを使って、1日の仕事を簡単に割り振ってから仕事に取りかかると、淡々とこなすことだけに集中できるので、生産性が上がります。予定というより、こうできたらいいなくらいの気持ちですると、疲れないで続けられます。
時間配分のコツ
屋根を修理するなら、日が照っているうちに限る。
―― The time to repair the roof is when the sun is shining.
ジョン・F・ケネディ(アメリカの第35代大統領)
―― John F. Kennedy
最も生産的に、エネルギーに満ちた状態になれる時間帯には、私は重要な仕事しかしません。重要な仕事は生産性の高い時間帯に、取るに足らない仕事は生産性の低い時間帯にまとめて行うということです。
―― ロバート・G・アレン(アメリカの作家、米国ビジネス界の権威)
脳が元気なうちに重要度の高い仕事をした方が効率的。
―― 石川善樹(いしかわ よしき、予防医学研究者、医学博士、株式会社キャンサースキャンのイノベーションディレクター)
朝一番が最も元気な人もいれば、お昼の休憩後に調子が上がってくる人もいます。あなたの普段の一日を思い起こして、生産性が自然と高まる時間帯、クリエイティブでエネルギッシュになれる時間帯を見つけてください。
重要な仕事は自分にとって一番生産性の高い時間帯にまとめるのが、うまく仕上げ、かつ早く終わらせるコツです。
情報の整理
パーソナル・コンピュータは我々に備わっている知性のある部分を拡大することのできる道具である。
―― スティーブ・ジョブズ(アメリカの実業家、アップルとピクサー・アニメーション・スタジオの創業者)
The personal computer is a tool that can amplify a certain part of our inherent intelligence.
―― Steve Jobs
書類作成の資料や提出期限、人と会う約束など、管理しなければならない情報をPCやスマホのタスク管理ツールやメモアプリなどで一元管理すると、必要な情報を必要なときに素早く取り出せるようになり、探す手間を省くことができます。
リマインダーも活用すると、脳の記憶領域を情報の管理には使わず、仕事に集中することができます。
仕事そのものを減らす
元々しなくても良いものを効率よく行うことほど無駄なことはない。
―― ピーター・ドラッカー(アメリカの経営学者)
There is nothing so useless as doing efficiently that which should not be done at all.
―― Peter Drucker
毎日少なくとも一回、何か小さなことを断念しなければ、毎日は下手に使われ、翌日も駄目になるおそれがある。
―― フリードリヒ・ニーチェ(ドイツの哲学者)
作業工程の無駄を徹底的になくし、生産性を向上させるために、作業をすべて分解するところから始めました。
―― 安部修仁(あべ しゅうじ、株式会社吉野家ホールディングス元会長)
無駄を管理するのはボートから水を汲み出すのに似ている――根気よくやるしかない。
―― リンドン・ジョンソン(アメリカの第36代大統領)
Controlling waste is like bailing a boat … you have to keep at it.
―― Lyndon Baines Johnson
ボートに乗っているなら、浸水するたびに、穴をふさいで水を汲み出す、この繰り返しを延々と続けるしかありません。
これと同じように、仕事をしていれば新たな業務が発生し、新たな無駄も出てきますから、無駄をチェックして減らしていく必要があります。やらなくても別に困らない仕事を徹底的に削ると、かなり時間の節約になります。
いつもやっていることをほんの少し変えてみると、また別の節約を思いついたりします。この作業は定期的にするとなお効果的です。
すぐに仕事に取り掛かるコツ
とにかく、とりかかれば心が燃え上がるし、続けていれば仕事は完成する。
―― ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(ドイツの詩人、小説家、劇作家、自然科学者、代表作 小説『若きウェルテルの悩み』『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』 詩劇『ファウスト』)
Only engage, and then the mind grows heated – Begin it and the work will be completed.
―― Johann Wolfgang von Goethe
休憩後や疲れてきたとき、なかなか次の仕事に取り掛かれないときには、小さなことでいいから何かを始めると、続けていくのはずっと楽になります。たとえば「必要なものを机の上に集めてくる」でも、「書類に一行書く」でも効きますよ。
シングルタスクか マルチタスクか
多くのことをなす近道は、一度にひとつのことだけをすることだ。
―― ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(オーストリアの作曲家、演奏家、代表作『フィガロの結婚』『ドン・ジョヴァンニ』『魔笛』『レクイエム』交響曲第41番『ジュピター』『きらきら星変奏曲』)
The shorter way to do many things is to do only one thing at a time.
―― Wolfgang Amadeus Mozart
複数の仕事を同時進行させるマルチタスクの得意な人と、マルチタスクは効率が落ちるという人がいます。携わる業務によっても変わってきます。
自分は(自分の業務は)同時進行で仕事をしたほうが早く終わるのか、一つずつ片づけたほうが早く終わるのか、実験してみて、良いほうを採用するのがおすすめです。