スティーブ・ジョブズの名言 【対訳】歴史的スピーチとインタビュー

Steve-Jobs実業家の名言

segagman, Steve Jobs 1955-2011 (6216457030), CC BY 2.0

アップル社の共同設立者の一人、スティーブ・ジョブズの名言は、優れた起業家、経営者としての仕事に対する姿勢や、人生について、若者に対するアドバイスなど、多岐にわたります。特に有名な、スタンフォード大学卒業式でのスピーチを中心に、名言の英語原文と日本語訳をご紹介します。英単語帳も付けましたので、細かいニュアンスの確認や、英単語の確認・暗記などにご活用いただければ幸いです。

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スティーブ・ジョブズの経歴

スティーブ・ジョブズ
NameSteven Paul Jobs
生誕日1955年2月24日
生誕地アメリカ合衆国 カリフォルニア州サンフランシスコ
職業 アップル社 元会長(創業者、元CEO)
ピクサー 元社長(元CEO)
著名な実績スティーブ・ウォズニアックとのパーソナルコンピュータやインターネット、メディア革命のパイオニア

スティーブ・ジョブズの名言 スタンフォード大学卒業式での歴史的スピーチから(日本語訳と英語原文)

Steve Jobs Quotes to Inspire Your Life

2005年、スティーブ・ジョブズはスタンフォード大学の卒業式で、歴史に残る感動的なスピーチを贈りました。このスピーチからは多くの名言が生まれましたが、あまりに短くて意味のよく分からないものもあります。

そこでスピーチの要点三つと、結びの学生に望む言葉一つ。この四つについて少しまとまった量の引用をして、英語原文と日本語訳をご紹介します。

点と点を繋ぐ

ジョブズは学費の負担が大きすぎるためリード大学を中退したものの、好きな授業にはもぐり込んでいました。そして自分の興味と直感に従って動き回っているうちに出会ったものの多くが、後からみればこの上なく価値のあるものだったといいます。

この時ジョブズはカリグラフィー(欧文文字を美しく書く術で、日本の書道に当たる)の授業で、セリフとサンセリフの書体、文字間隔を調整する手法や、美しい字体は何が美しいのかなどを学びました。その繊細な芸術性をもった世界に夢中になりました。

↓カリグラフィー

calligraphy

そして10年後、最初のマッキントッシュ・コンピュータを設計していたとき、その時のことがよみがえってきて、それらをすべてマックに組み込みました。美しいフォントを持つ初めてのコンピュータを作ったのです。

もし私が中退していなかったら、あのカリグラフィーの講義にもぐりこむこともなく、パソコンが現在のようなすばらしいフォントを備えることもなかったでしょう。もちろん、大学にいた当時、先を見通し点と点をつなげることはできませんでした。しかし10年後にふり返ってみると、非常にはっきりと見えたのです。

If I had never dropped out, I would have never dropped in on this calligraphy class, and personal computers might not have the wonderful typography that they do. Of course it was impossible to connect the dots looking forward when I was in college. But it was very, very clear looking backward 10 years later.

drop outdrάp àʊt句動詞中途退学する
drop indrάp ín句動詞(予告もなしに)ひょっこり訪ねる、不正聴講する
typographytɑɪpάgrəfi名詞印刷の体裁

繰り返しますが、未来を見据えて、点と点を繋いでいくことはできません。過去を振り返ったときに繋げられるだけです。だから、将来にいつかどうにかして点は結ばれると信じなければなりません。直観、運命、カルマなど、何かしらを信じなければなりません。この考え方で、私は後悔したことはなく、人生において大きな差をもたらしてくれました。

Again, you can’t connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future. You have to trust in something — your gut, destiny, life, karma, whatever. This approach has never let me down, and it has made all the difference in my life.

gutgˈʌt名詞直感
karmakάɚmə名詞カルマ、因縁(いんねん)、 宿命
whatever(h)wɑtévɚ代名詞同類のもの、何でもそういったもの

愛と敗北

ジョブズは20歳の時に友人と2人でアップル社を始め、10年で、従業員4千人以上を抱える20億ドル企業にしました。しかしアップルが大きくなっていったため右腕として会社経営をしてもらうために雇い入れた人物と、将来ビジョンが離れていき、決定的な亀裂を生じてしまいました。取締役会は彼のほうを支持し、ジョブズは30歳の時に会社を解雇されてしまいます。

その時は分かりませんでしたが、後からみると、アップル社に解雇されたことは、人生で最良のできごとでした。何事につけても不確かさは増えましたが、成功者であることの重圧が、もう一度創業者の身軽さに替わったのです。同時に私は自由の身となり、人生で最もクリエイティブな時期に入ることができました。

I didn’t see it then, but it turned out that getting fired from Apple was the best thing that could have ever happened to me. The heaviness of being successful was replaced by the lightness of being a beginner again, less sure about everything. It freed me to enter one of the most creative periods of my life.

firefάɪɚ他動詞首にする、解雇する
heavinesshévinəs名詞重苦しさ
replacerɪpléɪs他動詞~に取って代わる
beginnerbɪgínɚ名詞初心者
periodpí(ə)riəd名詞期間

その後5年の間に、私はNeXT(ネクスト・ソフトウェア)という会社と、ピクサーという会社を立ち上げ、そして後に妻となる素晴らしい女性と恋に落ちました。やがてピクサーは世界初のコンピュータ・アニメーション映画「トイ・ストーリー」の製作に取り掛かり、今では世界で最も成功しているアニメ製作会社となりました。思いがけないことに、アップルがNeXTを買収し、私はアップルに復帰しました。NeXTで開発した技術は、現在のアップルの復活において中核的役割を果たしています。そして、ローレンと私は一緒に素晴らしい家庭を築いています。

During the next five years, I started a company named NeXT, another company named Pixar, and fell in love with an amazing woman who would become my wife. Pixar went on to create the world’s first computer animated feature film, Toy Story, and is now the most successful animation studio in the world. In a remarkable turn of events, Apple bought NeXT, I returned to Apple, and the technology we developed at NeXT is at the heart of Apple’s current renaissance. And Laurene and I have a wonderful family together.

NeXTnékst名詞ネクスト・ソフトウェア
Pixarˈpɪksɑr名詞ピクサー・アニメーション・スタジオ
remarkablerɪmάɚkəbl形容詞驚くべき
renaissancerènəsάːns名詞復活

私は断言できます。もし私がアップルを追われなかったら、これらのことはひとつとして起こらなかっただろうと。非常に苦い薬でしたが、患者には、それが必要だったのでしょう。時として人生には、レンガで頭を殴られるようなひどいことも起きます。しかし信念を捨ててはいけません。私が続けられた理由はただ1つ、自分のやっている仕事を愛していたということです。皆さんも愛するものを見つけなければなりません。仕事でも恋愛でも同じです。仕事が人生の大きな部分を占めていくでしょうが、真に満足できるただ一つの方法は、すばらしい仕事だと心底思えることをやることです。そして素晴らしい仕事をしたいと思うなら、仕事を愛さなければなりません。好きなことがまだ見つからないなら、探し続けてください。妥協してはいけません。心の問題と一緒で、答えを見つけたときには、自然とわかるはずです。そして素晴らしい恋愛と同様に、年を重ねるごとに良くなっていきます。ですから、探し続けてください。妥協してはいけません。

I’m pretty sure none of this would have happened if I hadn’t been fired from Apple. It was awful tasting medicine, but I guess the patient needed it. Sometimes life hits you in the head with a brick. Don’t lose faith. I’m convinced that the only thing that kept me going was that I loved what I did. You’ve got to find what you love. And that is as true for your work as it is for your lovers. Your work is going to fill a large part of your life, and the only way to be truly satisfied is to do what you believe is great work. And the only way to do great work is to love what you do. If you haven’t found it yet, keep looking. Don’t settle. As with all matters of the heart, you’ll know when you find it. And, like any great relationship, it just gets better and better as the years roll on. So keep looking until you find it. Don’t settle.

awfulˈɔːf(ə)l形容詞《口語》 ひどい
brickbrík名詞煉瓦
faithféɪθ名詞信念 (belief)
convincekənvíns他動詞確信させる
be convinced of~[that~]句動詞 ~を[~と]確信する
keep going句動詞やり続ける
satisfysˈætɪsfὰɪ他動詞〈人を〉満足させる
looklúk他動詞捜す
settlesétl自動詞腰を落ちつける

ジョブズは自分にとって非常に辛かった経験を語ることで、そこから得たものの大切さを訴えています。人生に起こってくる出来事によって大事な何かを失っても、もっと大切なものを手に入れる機会にすることもできる。そのためには自分の心に従って、愛するものを見つけ、それを育てていかなければいけないということです。ジョブズは直観に従えということを別の場所でも何度も言っていますが、こういう経験があってのことだと理解できます。

死と内なる声

この項については最初に名言をご紹介します。

私は17歳のときに、こんな言葉を読みました。「毎日を人生最後の日だと思って生きれば、いつか必ずその日は来る」。それは私にとって印象的で、その日から33年間、鏡に映る自分に毎朝「もし今日が人生最後の日だとしたら、今日やろうとしていることを本当にやりたいだろうか?」と問いかけてきました。「違う」という答えが何日も続くようなら、何かを変えなければなりません。

When I was 17, I read a quote that went something like: “If you live each day as if it was your last, someday you’ll most certainly be right.” It made an impression on me, and since then, for the past 33 years, I have looked in the mirror every morning and asked myself: “If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?” And whenever the answer has been “No” for too many days in a row, I know I need to change something.

自分がまもなく死ぬと意識しておくことは、重大な選択をする際に役立つ、最も重要なツールでした。ほとんどの物事、外野の期待、自分のプライド、恥ずかしさや失敗への恐怖、こういったもののすべては死に臨んでは消えてなくなり、真に重要なことだけが残るからです。自分も死に向かっているという自覚は、私の知る限り、何かを失ってしまうかもしれないという思考の罠を避けるための最善の策です。すでに失うものはないのです。自分の心に従わない理由はありません。

Remembering that I’ll be dead soon is the most important tool I’ve ever encountered to help me make the big choices in life. Because almost everything — all external expectations, all pride, all fear of embarrassment or failure — these things just fall away in the face of death, leaving only what is truly important. Remembering that you are going to die is the best way I know to avoid the trap of thinking you have something to lose. You are already naked. There is no reason not to follow your heart.

tooltúːl名詞道具、手段
externalèkstˈɚːnl形容詞外部の
expectationèkspektéɪʃən名詞期待
embarrassmentembǽrəsmənt名詞気恥ずかしさ
failureféɪljɚ名詞失敗
fall away句動詞掻き消える、消え去る
in the face of ~名詞句~に直面して
follow one’s heart句動詞自分の心に従う

   <中略>

あなたの時間は限られています。誰か他人の人生を生きて時間を無駄にしないでください。ドグマ(既存の理論)にとらわれてはいけません。他人の思考の結果に従って生きることになってしまいます。他人の意見が雑音のようにあなたの内なる声をかき消したりすることのないようにして下さい。そして最も重要なことですが、自分の心と直観に従う勇気を持って下さい。それはどういうわけかあなたが本当になりたいものをすでによく知っているのだから。他のことは全て二の次です。

Your time is limited, so don’t waste it living someone else’s life. Don’t be trapped by dogma — which is living with the results of other people’s thinking. Don’t let the noise of others’ opinions drown out your own inner voice. And most important, have the courage to follow your heart and intuition. They somehow already know what you truly want to become. Everything else is secondary.

dogmadˈɔːgmə名詞ドグマ、定説
resultrɪzˈʌlt名詞結果
drown out句動詞〔大きな音が小さな音を〕かき消す
innerínɚ形容詞内の
intuitionìntjuːíʃən名詞直観
secondarysék(ə)ndèri形容詞第二次的な

まず、ジョブズが17歳の時に読んだ
「毎日を人生最後の日だと思って生きれば、いつか必ずその日は来る」
If you live each day as if it was your last, someday you’ll most certainly be right.
という言葉について。

この演説を初めて聞いたとき、私は一瞬、それは当然のことだけど? と、意味が分からなかったし、学生の中にもジョークと受け取って笑っている人も少数いましたが、演説の続きを聞けば、ジョークではないと分かります。ジョブズはその後、毎朝この言葉を自分に問うているし、「自分がまもなく死ぬと意識しておくことは、重大な選択をする際に役立つ」とも言っているからです。調べると、この言葉は第二次ボーア戦争(1899-1902)を戦った英雄モラント(オーストラリア人将校のハリー “ブレイカー” モラント Harry “Breaker” Harbord Morant)の言葉でした。

「今日が人生最後の日だと思って、今日を大切に生きなさい。しかも、いつか本当に死ぬ日が来る、ということも忘れてはいけない」という程の意味であろうと思われます。

↓ブレイカー・モラント

Breaker-Morant

インド独立の父、マハトマ・ガンディーの名言、
明日死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べ。
Live as if you were to die tomorrow. Learn as if you were to live forever.
に通ずるところもあります。一日一日を大切に生きるという意味で究極の姿勢です。

ジョブズはこの言葉に出合ってからこの演説の日まで33年間、毎日を人生最後の日だと思って生き、上記のような名言を残しました。明日には命がないのだとすれば、今日失って困るものなど何もありません。何も守っていなくていいなら、直観に従って、一番大切なものを取りに行けるわけです。あの集中力の理由はここにあるようです。

ハングリーであれ。愚か者であれ。

ハングリーであれ。愚か者であれ。

Stay hungry. Stay foolish.

この名言については説明が長くなりますので、別の記事にしました。下のリンクからどうぞ。

↓このスピーチを収めた14分33秒の動画です。

スティーブ・ジョブス スタンフォード大学卒業式辞 日本語字幕版

スティーブ・ジョブズの名言 雑誌やインタビュー、本から

この他の名言を一覧にしてご紹介します。

フォーカスグループによって製品をデザインするのはとても難しい。多くの場合、人は形にして見せてもらうまで、自分が何を欲しいのか分からないものだ。
―― スティーブ・ジョブズ
出典 1998年、雑誌のインタビュー

It’s really hard to design products by focus groups. A lot of times, people don’t know what they want until you show it to them.
―― Steve Jobs

私が持っているテクノロジーをすべて引き替えにしても、ソクラテスとの午後のひとときを選ぶね。
―― スティーブ・ジョブズ
出典 2001年10月29日、「Newsweek」

I would trade all of my technology for an afternoon with Socrates.
―― Steve Jobs

Socratessάkrətìːz名詞ソクラテス (470?-399 B.C.) 《古代アテネの哲学者》

革新的なことをしていると、たまに過ちを犯す。一番良いのは、すぐその過ちを認めて、次の革新を急ぐことだ。
―― スティーブ・ジョブズ
出典 ジェフリー・S・ヤング『スティーブ・ジョブズ―偶像復活』

Sometimes when you innovate, you make mistakes. It is best to admit them quickly, and get on with improving your other innovations.
―― Steve Jobs

innovateínəvèɪt自動詞革新する

重要なことに集中する唯一の方法は「ノー」と言うことだ。
―― スティーブ・ジョブズ
出典 2004年、「BusinessWeek」

It’s only by saying no that you can concentrate on the things that are really important.
―― Steve Jobs

墓場で一番の金持ちになることは私には重要ではない。夜眠るとき、我々は最高に素晴らしいことをしたと言えること、それが重要だ。
―― スティーブ・ジョブズ
出典 「The Wall Street Journal」

Being the richest man in the cemetery doesn’t matter to me… Going to bed at night saying we’ve done something wonderful… that’s what matters to me.
―― Steve Jobs

cemeterysémətèri名詞共同墓地

1年で2億5000万ドルも失ったのは、知っている限りでは私だけだ。人格形成に大きな影響を与える出来事だった。
―― スティーブ・ジョブズ
出典 オーエン・W・リンツメイヤー『アップル・コンフィデンシャル―誰も書かなかったアップル・コンピュータ20年の真実』

I’m the only person I know that’s lost a quarter of a billion dollars in one year… It’s very character-building.
―― Steve Jobs

我々の事業に関わる主要技術を保有し、自由にコントロールしたいと常々思っている。
―― スティーブ・ジョブズ
出典 2004年、「BusinessWeek」

I’ve always wanted to own and control the primary technology in everything we do.
―― Steve Jobs

残りの人生も砂糖水を売ることに費やしたいか、それとも世界を変えるチャンスが欲しいか?
―― スティーブ・ジョブズ
出典 ジョン・スカリーをアップルのCEOに説得する際に言った言葉

Do you want to spend the rest of your life selling sugared water, or do you want a chance to change the world?
―― Steve Jobs

デザインとは面白い言葉だ。デザインは「物がどのような形に見えるか」ということだと思うひとがいるが、しかし、深く掘りさげると、デザインとは「物がどのように機能するか」という意味になる。
―― スティーブ・ジョブズ
出典 2003年、The New York Times Magazine

Design is a funny word. Some people think design means how it looks. But of course, if you dig deeper, it’s really how it works.
―― Steve Jobs

クリエイティビティとは、ただ物事を繋ぎ結びつけることだ。経験を結びつけることによって新しいことを創造したんだよ。
―― スティーブ・ジョブズ
出典 「Wired Magazine」

Creativity is just connecting things. They were able to connect experiences they’ve had and synthesize new things.
―― Steve Jobs

synthesizesínθəsὰɪz他動詞まとめ上げる

お金を儲けるためにアップルに戻ったんじゃない。いろいろな幸運に恵まれて、お金ならすでにたくさん持っていた。当時、約100万ドルの資産があったのだから。でも、そのお金に人生を台無しにされないようにしようと決めた。どうせ使い切れないし、それにどれだけお金を稼いでいたって、知性の証明にはならないからね。
―― スティーブ・ジョブズ

I didn’t return to Apple to make a fortune. I’ve been very lucky in my life and already have one. When I was 25, my net worth was $100 million or so. I decided then that I wasn’t going to let it ruin my life. There’s no way you could ever spend it all, and I don’t view wealth as something that validates my intelligence.
―― Steve Jobs

validatevˈælədèɪt他動詞~を実証する
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