『マネジメント』 ドラッカー本の選び方 初心者~経営者 名言つき

management-peter-drucker学者・発明家の名言

アメリカを代表する経営学者ピーター・ドラッカーの『マネジメント』は、経営者のみならず、マネジメントに興味を持つあらゆる人の間で読み継がれてきました。世界的な大ベストセラーとなったオリジナルの『マネジメント――課題、責任、実践』の他に、解説書等が多数出版されています。

解説書等は対象者や内容がそれぞれ違いますので、選びやすいよう、入門書から順に整理しました。

ドラッカーに初めて触れるという初心者向けから経営者向けまで、それぞれにおすすめの本をご紹介していきます。ぜひ、仕事、事業、プライベートにも『マネジメント』の思考法を取り入れ、より充実したものにしていただければ幸いです。

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ピーター・ドラッカーの『マネジメント』とは

ピーター・ファーディナンド・ドラッカー(Peter Ferdinand Drucker)は、ユダヤ系オーストリア人経営学者。「現代経営学」、「マネジメント」の発明者として知られています。

オーストリアで生まれ、イギリス・ロンドンで投資銀行に勤めたのち、アメリカに移住しました。投資アドバイザーや新聞社の特派員などを務め、企業や政府を対象にしたコンサルタントとして開業。

ベニントン大学、ニューヨーク大学、クレアモント大学院大学で教鞭をとる傍ら、政府や企業、病院、学校など、様々な組織の経営問題に取り組みました。

「マネジメントの父」と呼ばれ、「民営化」「知識労働者」など、ドラッカー氏の創り出した概念や用語は数えきれないほどあります。

世界で一番読まれた経営学書『マネジメント』

ドラッカー氏の基本的な関心は「人を幸福にすること」にあり、著書『マネジメント――課題、責任、実践』では、マネジメントが果たすべき使命と役割、取り組むべき仕事、中長期的に考えるべき戦略について、具体的に解説されています。

組織で働く人に、新しい目的と勇気を与えてくれる、マネジメントについての総合書であり、現在も世界中で愛読されています。

第一線の経営者が問題に直面したときの参考書として。
第一線の専門家や科学者が組織とマネジメントを知る上での教科書として。
マネジャー、新入社員、学生の入門書として。
マネジメントに直接の関わりをもたない人が、今日の社会と経済を知るために。
 

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ドラッカーのマネジメント本 おすすめ作

初心者向けから順にご紹介していきます。

『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら (アニメコミック)』

ベストセラーとなった小説、『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』のアニメコミック化。
ドラッカー氏の理論をひとつずつ採り上げて実例を描いてあるので、とても分かりやすい。
短時間で読みたいという方には、こちらが最短。1時間くらいで読めます。

基になったアニメ「もしドラ」はこちら。


 

『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』

経営学やドラッカーは初めてで、ストーリー仕立てが読みやすいという方には、岩崎夏海さんの小説『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』がおすすめです。

野球部のマネージャーが、ふとしたことで『マネジメント』に出合い、野球部を強くするのにこの本が役立つことに気付く。そして野球部の仲間たちと力を合わせて甲子園を目指すというストーリーです。

「人の強みを生かす」、「イノベーションに取り組む」などが具体的な行動とともに描かれているので、読みやすく、ドラッカーの理論が分かりやすくなっています。2010年の年間ベストセラーになりました。略称は「もしドラ」。


 

『マネジメント[エッセンシャル版] – 基本と原則』

経営学の基礎を学ぶためにドラッカー自身の本を読みたい方には、『マネジメント[エッセンシャル版] – 基本と原則』がおすすめです。

ドラッカー氏のマネジメント論を体系化したオリジナルの『マネジメント――課題・責任・実践』(1974年出版)は、長くて読むのに時間がかかります(日本語訳は3冊組みになっています)。

1993年にドラッカー自身が初心者向けに一冊にまとめた抜粋版 Management: Tasks, Responsibilities, Practices を出版しました。本書はその日本語訳です。

現代の様々なビジネス書の原点であり、組織で働く人に、新しい目的意識と勇気を与えてくれます。
 


 

『プロフェッショナルの条件――いかに成果をあげ、成長するか』

『マネジメント[エッセンシャル版] – 基本と原則』の次に読むべき本としては、『プロフェッショナルの条件――いかに成果をあげ、成長するか』がおすすめです。

主題は個人の生き方と働き方。自分の能力を見極め、伸ばす簡単な方法を、自身のエピソードをまじえながら、具体的に紹介されています。

・これからの働き方を考えたい、学生や若手ビジネスパーソン
・若手指導に頭を悩ませる、管理職やチームリーダー
・今後の展望を考えたい、ベテランや経営者

具体的で明快なアドバイスも盛り込まれ、誰にとっても自己実現に役立つエッセンスがつまっています。

ドラッカー氏自身が自著を初めて読む人のために、これまでの著作10点、論文1点から、私たち一人ひとりが「どう成果をあげ、社会に貢献し、自己実現を図っていくか」について述べた部分を抜き出し、加筆・削除・修正した本です。

ドラッカーの世界が「大き過ぎて全体が見えない」という人のためのガイドブック。『マネジメント』以外の著作からも、要点をつかめます。
 


 

『マネジメント――課題・責任・実践』

ドラッカー経営学の集大成、どんな組織にも適用できる経営学のバイブル。第一線の経営者から初心者に至るあらゆる人たちを対象にして書かれました。

経営に関する本を何冊も読むよりも、新たな発見に満ちています。

原著は839ページの大部ですが、日本語訳は上・中・下の3冊に分かれています。

時間をかけてじっくり読む必要があるものの、それだけの価値があります。ドラッカー氏が真に伝えたかったことの全貌がわかる渾身の作。
 
『ドラッカー名著集13 マネジメント[上]―課題、責任、実践』

上巻では、マネジメントが成し遂げるべきミッションと実際の仕事の方法、そして組織が果たすべき社会的責任の本質を述べています。


 
『ドラッカー名著集14 マネジメント[中]―課題、責任、実践』

中巻では、マネジメントの仕事とスキル、組織のマネジメント等のテーマに焦点を当てています。


 
『ドラッカー名著集15 マネジメント[下]―課題、責任、実践』

下巻では、トップマネジメントが果たすべき役割と課題、状況に応じて取り組むべき各種の戦略に焦点を当てています。


 

『マネジメント[エッセンシャル版] – 基本と原則』からの名言

『マネジメント[エッセンシャル版] – 基本と原則』から、「マネジメントとは」「成果を上げる」「リーダーに求められるもの」についての名言を日本語訳と英語原文でご紹介します。

マネジメントとは、人にかかわるものである。その機能は人が共同して成果をあげることを可能とし、強みを発揮させ、弱みを無意味なものにすることである。
―― ピーター・F・ドラッカー

Management is about human beings. Its task is to make people capable of joint performance, to make their strengths effective and their weaknesses irrelevant.
―― Peter Ferdinand Drucker

組織の目的は、凡人をして非凡なことを行わせることにある。
―― ピーター・F・ドラッカー

The purpose of an organization is to enable common men to do uncommon things.
―― Peter Ferdinand Drucker

企業の目的の定義は一つしかない。それは、顧客を創造することである。
―― ピーター・F・ドラッカー

There is only one valid definition of business purpose: to create a customer.
―― Peter Ferdinand Drucker

事業の目的は顧客を創造することであるため、企業に必要な機能は二つ── ただこの二つだけである。マーケティングとイノベーションだ。
―― ピーター・F・ドラッカー

Because its purpose is to create a customer,the business enterprise has two—and only these two—basic functions: marketing and innovation.
―― Peter Ferdinand Drucker

事業の目的と使命を定義する際、最初に問うべききわめて重要な問いが「誰が顧客か?」。答えは簡単ではない。まして明らかでもない。
―― ピーター・F・ドラッカー

“Who is the customer?” is the first and the crucial question in defining business purpose and business mission. It is not an easy, let alone an obvious question.
―― Peter Ferdinand Drucker

「わが社の事業は何か? 何になるのか? 何であるべきか?」を問い、目標を考え抜くのは、知るためではない。動くためだ。
―― ピーター・F・ドラッカー

Action rather than knowledge is the purpose of asking “What is our business, what will it be, what should it be?” and of thinking through objectives.
―― Peter Ferdinand Drucker

企業は社会の機関であり、その目的は社会にある。企業の目的の定義は一つしかない。それは顧客の創造である。
―― ピーター・F・ドラッカー

Business enterprise is an organ of society. There is only one valid definition of business purpose: to create a customer.
―― Peter Ferdinand Drucker

ほとんど常に、事業の目的とミッションを検討していないことが失敗と挫折の最大の原因である。
―― ピーター・F・ドラッカー

Business purpose and business mission are so rarely given adequate thought is perhaps the most important cause of business frustration and failure.
―― Peter Ferdinand Drucker

未来のために、いま決め、いまリスクをとり、いま行動すべきである。必要なのは、長期的な計画ではない。戦略的な意思決定、つまり戦略の立案(戦略計画)だ。
―― ピーター・F・ドラッカー

(The future) requires decision—now. It imposes risk—now. It requires action—now… The skill we need is not long-range planning. It is strategic decision-making, or perhaps strategic planning.
―― Peter Ferdinand Drucker

すべての資源のうち、人がもっとも活用されていない。人間の潜在能力が組織で活かされることがほとんどないことを、多くの経営者はよく知っている。
―― ピーター・F・ドラッカー

Most managers know perfectly well that of all the resources, people are the least utilized and that little of the human potential of any organization is tapped and put to work.
―― Peter Ferdinand Drucker

効果的な意思決定を下すに前に問うべきは「本当に決める必要があるのか?」。選択肢には常に「決定しない」があるからだ。
―― ピーター・F・ドラッカー

There is one question the effective decision-maker asks: “Is a decision really necessary?” One alternative is always the alternative of doing nothing.
―― Peter Ferdinand Drucker

強みよりも弱みに目を向ける者をマネジャーに任命してはならない。できないことに気づいても、できることに目のいかない者は、やがて組織の精神を低下させる。
―― ピーター・F・ドラッカー

A man should never be appointed to a managerial position if his vision focuses on people’s weaknesses rather than on their strengths. The man who always knows exactly what people cannot do, but never sees anything they can do, will undermine the spirit of his organization.
―― Peter Ferdinand Drucker

人の上に立ち、人を動かす技術は学べる。だが、それらをすべて実行してなお、マネジャーに求められる基礎的な資質がある。それは高潔な人格だ。
―― ピーター・F・ドラッカー

One can learn certain skills in managing people… But when all is said and done, developing men still requires a basic quality in the manager… It requires integrity of character.
―― Peter Ferdinand Drucker

重要なのはカリスマ性ではない。リーダーシップとは人を惹きつけることではない。惹きつけるだけでは扇動者にすぎない。友達をつくり、影響を与えることでもない。それでは人気取りにすぎない。リーダーシップとは、人のビジョンを高め、成果の基準を高め、人格を高めることである。
―― ピーター・F・ドラッカー

Leadership is not magnetic personality, that can just as well be a glib tongue. It is not “making friends and influencing people”, that is flattery. Leadership is lifting a person’s vision to higher sights, the raising of a person’s performance to a higher standard, the building of a personality beyond its normal limitations.
―― Peter Ferdinand Drucker

 

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