京セラ・KDDI創業者 稲盛和夫の名言 利他の心が生んだ奇跡

Kazuo-Inamori-4 実業家の名言

Science History Institute, Kazuo Inamori 2011 Heritage Day HD2011-71, CC BY-SA 3.0 / Cropped from original>

京セラ・KDDI創業者、稲盛和夫の経営哲学・理念・生き方についての42の名言をご紹介します。彼の独特な経営管理手法、「アメーバ経営」、経営塾「盛和塾」「利他の心」についてもまとめています。

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稲盛和夫の経歴

稲盛和夫
Name Kazuo Inamori
生誕日 1932年1月21日
生誕地 鹿児島県鹿児島市薬師町
職業 実業家

大学は工学部応用化学科で、有機化学を専攻。
1955年(昭和30年)大学を卒業後、がいしメーカーの松風(しょうふう)工業に入社。

1959年(昭和34年)松風工業の社員8人で京都セラミツクを設立。
1966年(昭和41年)同社長に就任(京都セラミツクは、ファインセラミックスの技術により、電子機器やファインセラミック関連事業の大手メーカー京セラに成長)。

1983年(昭和58年)若手経営者の育成のため、経営塾「盛友塾(のちの盛和塾)」を開塾。盛和塾は閉塾時には、国内56塾、海外48塾、塾生数は約15,000名にのぼりました。

1984年(昭和59年)通信事業の自由化に際し、京セラの資金を投入し第二電電(DDI)を設立。のちにケイディディや日本移動通信と合併し、今日のKDDIとなりました。

1997年(平成9年)京セラ・DDIの会長を退き、臨済宗妙心寺派円福寺において西片擔雪の下で得度し、仏教の僧籍を得ました。

1998年(平成10年)会社更生法の適用を申請した、複写機メーカー三田工業からの要請により、同社を「京セラミタ」として京セラの子会社に編入。9年かけるはずだった更生計画を、わずか2年で達成しました。

2010年(平成22年)日本航空会長に無報酬で就任。「JALフィロソフィ」の策定など社員の意識改革に取り組み、全従業員の3分の1にあたる1万6千人のリストラを断行して、着任の翌期には営業利益1800億円の高収益企業に生まれ変わらせることに成功。赤字続きだった日本航空を3年足らずで再上場させました。

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独特な経営管理手法、「アメーバ経営」

アメーバ経営とは

社員を6~7人の小集団(アメーバ)に分けます。各アメーバはアメーバの計画を立て、メンバー全員が知恵を絞って努力することで、アメーバの目標を達成していきます。こうして、現場の社員ひとりひとりが主役となって、自主的に経営に参加する「全員参加経営」を実現します。

アメーバ経営の目的

  1. 市場に直結した部門別採算制度の確立
  2. 経営者意識を持つ人材の育成
  3. 全員参加経営の実現

アメーバ経営は、京セラをはじめ、KDDIや日本航空など約700社に導入されています。

若手経営者の経営塾「盛和塾」

盛和塾は、稲盛和夫氏が、京都の若い経営者たちから「いかに経営をすべきか教えてほしい」と依頼されたことを機に、25名で始まりました。「心を高め、会社業績を伸ばして従業員を幸せにすることが経営者の使命である」とする経営哲学を、塾生が学びました。

やがて評判を聞いた人や、「知り合いにも勧めたい」という塾生により全国各地に拡大し、36年の活動を経て、2019年末の閉塾時には、国内56塾、海外48塾、塾生数は約15,000名となりました。

また稲盛氏は、多数の経営指南書・自己啓発書を出版し、アメーバ経営や、世の中に貢献することを第一とした経営理念の普及にも努めています。中でも、『稲盛和夫の実学―経営と会計』『生き方』はベストセラーとなりました。

『稲盛和夫の実学―経営と会計』
儲けとは、値決めとは、お金とは、実は何なのか。身近なたとえ話からキャッシュベース、採算向上、透明な経営など七つの原則を説き明かしています。

『生き方』
著者の成功の礎となった実践哲学をあますところなく語りつくした人生論の決定版。大きな夢をかなえるために、確かな人生を歩むために、もっとも大切なこととは何か? 豊かな知恵と経験をもとに、丁寧にわかりやすく説き明かしています。

利他の心を判断基準にする

稲盛氏の人生哲学の中に、「利他の心」があります。

私たちの心には「自分が良ければいい」と考える利己の心と、「自分を犠牲にしてでも他の人を助けよう」とする利他の心があります。

利己の心で判断すると、誰の協力も得られず、視野も狭くなり、間違った判断をしてしまいます。

一方、利他の心で判断すると、まわりの人みんなが協力してくれます。また視野も広くなるので、正しい判断ができます。
より良い仕事をしていくためには、自分だけのことを考えて判断するのではなく、まわりの人のことを考え、思いやりに満ちた「利他の心」に立って判断をすべき、という考え方です。

稲盛和夫氏は、これまで多くの企業を成功に導いてきましたが、本人は常に謙虚な姿勢を貫く、偉大な経営者だと言えます。

稲盛和夫の仕事・人生についての名言

Kazuo Inamori Quotes – Philosophy of Business and The Meaning of Life

世の中に失敗というものはない。チャレンジしているうちは失敗はない。あきらめたときが失敗である。
―― 稲盛和夫

強い情熱とは寝ても覚めても、二十四時間そのことを考えている状態です。実際に二十四時間考えつづけるのは不可能でしょう。しかし、そういう意志を持ちつづけることが大切なのです。そうすれば願望はいつしか潜在意識に到達し、寝ても覚めてもそのことに意識を集中しつづけることができるようになるのです。
―― 稲盛和夫

誰もが、宇宙のため地球のために必要だから生まれてきた。世のため人のためにあなたの存在が必要だった。従って世のため人のために尽くすのが人生の目的なんだ。才能を私物化してはいけない。
―― 稲盛和夫

その可能性に対して心を閉じていると、人生の本当の恵みを見極めることはできないのです。
―― 稲盛和夫

感謝の心が幸福の呼び水なら、素直な心は進歩の親であるかもしれません。
―― 稲盛和夫

物事をあるがままに見て、さらに自己犠牲を払ってでも成し遂げようという心構えができていれば、結局は克服できない問題などないのです。
―― 稲盛和夫

瞬間、瞬間を完全燃焼すること。その点の連続が未来につながる。
―― 稲盛和夫

ひとつのことを究めることは、すべてを理解することなのです。すべてのものの奥深くに、真理があるのです。
―― 稲盛和夫

安易に近道を選ばず、一歩一歩、一日一日を懸命、真剣、地道に積み重ねていく。夢を現実に変え、思いを成就させるのは、そういう非凡なる凡人なのです。
―― 稲盛和夫

すべて人生は心に描いた通りになる。どのような厳しい状況に置かれようと、否定的なことを心に浮かべるべきではない。まじめに前向きに努力していけば決して悪いことがあろうはずがないと確信して、常に堂々と明るく進まなければならない。
―― 稲盛和夫

自分の運命は自分で管理しなさい。でなければ、あなたはだれかに自分の運命を決められてしまう。
―― 稲盛和夫

20代や30代のときには、どんなことでもいいからとことん突き詰めて究めることが大切だ。ひとつのことに精魂を打ち込み、どんなことでもいいから確信となる何かを得ることだ。
―― 稲盛和夫

長い目で見れば、目標を課し、規律をもって鍛える厳しい上司によって、部下ははるかに伸びていく。
―― 稲盛和夫

余裕が充分ある段階においても、危機感を持ち必要な行動を起こすことが大切です。これが安定した事業の秘訣なのです。
―― 稲盛和夫

今の規模でいいと思った瞬間に成長はなくなる。
―― 稲盛和夫

『この世に何をしにきたのか』と問われたら、私は迷いもてらいもなく、生まれたときより少しでもマシな人間になる、すなわちわずかなりとも美しく崇高な魂をもって死んでいくためだと答えます。
―― 稲盛和夫

人間の進歩の元は素直であるかないかで決まる。自分の非を認めて学ぶ「素直な心」がないと人間の進歩はない。
―― 稲盛和夫

複雑な問題を解決するには、まず自分の心の次元をひとつ高めて物事を見ることが必要なのです。
―― 稲盛和夫

不運なら、運不運を忘れるほど仕事に熱中してみよ。
―― 稲盛和夫

心が充分に強くなければ、我々は容易に自分の才能の奴隷になってしまいます。
―― 稲盛和夫

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