英検準一級の一次試験で合否を分けるのは、大問1の語彙問題と、大問4のライティング問題です。
大問1は文中の( )内に、文脈に合う適切な語句を補うもので、単語21問+句動詞4問の合計25問が出題されます。目標解答時間は15分、合格ラインは8割(20問)正解。
今回は、効率的に語彙問題対策をするためのおすすめの単語帳を、目標正答数別にご紹介します。
英検準1級合格(8割正解)におすすめの単語帳
大学受験の勉強をしているなら、『英単語ターゲット1900』と『英熟語ターゲット1000』を派生語まで完璧にこなすのが、おすすめです。『英検準一級 でる順パス単 5版』と同等以上のカバー率がありながら、英検用の単語学習をプラスしなくで済みます。
2021年度第2回(2021年10月実施)試験問題で、大問1の正解となった単語/熟語が載っていた数を数えると、『英単語ターゲット1900』は 25問中18問。
ただし派生語、類義語、反意語、「英検準一級によく出る英単語200」も入れて18問です(見出し語のみだと25問中10問)。
これに『英熟語ターゲット1000』(25問中2問)も合わせると、25問中 20問(8割)に到達できます。
勉強時間の限られている受験生が、必要最小限の時間で取り組むなら、この方法はおすすめです。
しかも『英検準一級 でる順パス単 5版』ではついていませんが、『ターゲット1900』では派生語などにもアクセント記号がついているので、暗記の際に便利です。
派生語を覚えるのは、見出し語を全部覚えたあとの方が効率的。まずは普段の勉強で触れる確率の高い基本語から覚えていく方が、辞書を引く手間が減らせるし、ミニテストなどの点数が伸びるので、効果を実感しやすいです。
見出し語を覚えたら派生語に取り掛かりますが、このとき 動詞 ⇒ 形容詞 ⇒ 名詞 など、いつも同じ順で覚えるようにすると、アクセントの位置が一致することが多いので、覚えやすくなります。
単語 | 発音記号 | 品詞 | 意味 |
compete | kəmpíːt | 動詞 | 競争する |
competitive | kəmpétətɪv | 形容詞 | 競争力のある |
competition | kὰmpətíʃən | 名詞 | 競争 |
cooperate | koʊάpərèɪt | 動詞 | 協力する |
cooperative | koʊάp(ə)rətɪv | 形容詞 | 協力的な |
cooperation | koʊὰpəréɪʃən | 名詞 | 協力 |
できれば音読して、リズムで覚えるといいです。
『英単語ターゲット1900 6訂版』
『英熟語ターゲット1000 5訂版』
英検準一級の受験を機に、語彙力を強化しておきたい場合
『英単語ターゲット1900』と『英熟語ターゲット1000』を派生語まで完璧にこなしたあと、さらに『英検準一級 でる順パス単 5訂版』を足すと、プラス3問で25問中 23問正解になります。
単語暗記のほうが得意な場合は、これを確実な得点源にするといいと思います。ライティングも有利になります。
『【音声アプリ対応】英検準1級 でる順パス単 5訂版』
英検準1級満点取得、TOEIC対策兼用におすすめの単語帳
英検準一級の語彙数は 7,500語から9,000語と言われていますから、本来ならこれだけの語彙を得ておくことが必要です。
それには、コーパスから使用頻度順に単語を抜き出した『究極の英単語』シリーズが効率的です。
膨大な英文データから英語ネイティブの間で実際に使われた単語を網羅しているので、適応範囲が広く、必要な語彙数まで順番に伸ばしていけます。
半分の単語には例文、残り半分には使い方の分かるフレーズがついています。一文で2~4語を覚えられるので効率的。単語と例文の音声やアプリもあり、例文を繰り返し読んだり覚えたりすることで、自然にライティングの力もつきます。
TOEIC頻出単語には、出題されたパートとTOEIC対策例文も載っています。
派生語や類義語もすべて見出し語にしてあるので、発音記号、発音、例文またはフレーズなどを調べなくてもすぐに暗記に入れます(単語と例文の音声は別売りです)。
単語は1,000語ずつ12のレベルに分けられ、3,000語ずつおさめられた4冊になっています。英検準一級はレベル4~9に相当し、本では『究極の英単語 Vol.2』と『究極の英単語 Vol.3』の2冊になります。
2021年度第2回(2021年10月実施)試験問題の、大問1の正解となった単語で載っているものを数えると、『究極の英単語 Vol.2』に 25問中10問 、『究極の英単語 Vol.3』に 25問中10問、合計20問でした。英熟語は例文中や頻出フレーズとして載っているので、この2冊で25問中22問になります(enviously は、レベル6に envious が載っているので、類推できれば23問になります。残り2問は『究極の英単語 Vol.4』に収録されています)。
『ターゲット1900』は派生語を入れて 25問中18問だったので、時間があれば『究極の英単語』のほうが、他の大問でも高得点を狙える語彙力を手に入れられます。
英検準1級合格にはレベル9まで、
TOEIC対策にはレベル9まで、
英検準1級満点取得にはレベル11まで、
英検1級合格にはレベル12まで
覚えるのが目安です。
英検1級についても、『パス単1級』よりも『究極の英単語 Vol.4』のほうがカバー率が高くなっています。
また、『究極の英単語』では重複なく12,000語まで語彙を増やせますが、もしその先が必要になれば、『極限の英単語 Vol.1 ~ Vol.4』で 24,000語まで、『終極の英単語 Vol.0 ~ Vol.4』で 35,000語まで増やせます。
英語を使う仕事を想定しているような場合には、先の事を考えて、このシリーズを使い始めるのもいいと思います。
『究極の英単語SVL〈Vol.2〉中級の3000語』
『究極の英単語SVL〈Vol.3〉上級の3000語』
「エビングハウスの忘却曲線」を利用したアプリ
『英検準一級 でる順パス単』は、2021年6月の4訂版から5訂版への改定で、収録語が大幅に入れ替わりました。見出し語になっている単語が先の『究極の英単語』 (SVL) のどのレベルに掲載されているかを調べると、難易度が下がったことが分かります。難語を削り、基本語を増やしています。
2022年度第1回(2022年6月実施)試験問題の大問1のレベルは次のようになります。
パス単は、大問1の語彙問題以外の部分のために難易度を下げたようです。
詳しく見てみましょう。
2022年度第1回試験問題で、大問1の正解25単熟語のうち、見出し語として掲載されていたのは、
5訂版は単語12問・熟語1問で計13問、
4訂版は単語12問・熟語3問で計15問でした。
派生語なども全部覚えると、
5訂版は15問、
4訂版は19問になります。
4訂版は簡単な単語が入っていなくて、この数字です。2級までの勉強が終了しているとか、shrugなどの基本語が習得できているならば、もっと正解を増やせます。
2級までの勉強が終了していて、4訂版を古本などで入手できるなら、カバー率の高い単語帳と言えます。
『【音声アプリ対応】英検準1級 でる順パス単 4訂版』
そして4訂版には「エビングハウスの忘却曲線」を利用したアプリも出ています。
「エビングハウスの忘却曲線」とは
ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスが、無意味なつづりを覚える実験を繰り返して発見した、記憶と忘却の関係を示すグラフです。
最初に記憶したものは1日の間に急激に忘れていきますが(赤色のグラフ)、
反復して覚えるほど、覚えるのは楽になり、忘れにくくなっていきます(黄緑のグラフ)。
専用アプリ
この忘却曲線を応用して、効率的に「忘れる前に覚え直す」ための『英検準一級 でる順パス単 4訂版』専用アプリがあります。
フルーツフルイングリッシュの「でる順・パス単 英検®準1級」です。覚え直すタイミングが分かります。
旺文社のアプリ「英語の友」で、パス単の見出し語、見出し語訳、例文英語の音声などが聞けますが、復習は自分でタイミングを計る必要があります。フルーツフルイングリッシュで管理できると、暗記に集中できていいと思います。
私も高校時代にエビングハウスの忘却曲線を知って、ノートに復習の計画表を書いて実践し、英検や大学入試を乗り切りました。当時覚えた単語は今、久々に見たという場合にも意味を覚えているので、効率よく確実に暗記したい人におすすめしたい復習法です。
メンバーサイト内のアプリでは、テストを受けた日からの経過日数を自動で計測し、忘れかけた頃をグラフで知らせてくれます。四択テストやリスニング、ディクテーション(書き取り)の練習などもできます。
↓ 詳しくは、このリンクからフルーツフルイングリッシュのサイトに移動し、一番下のメニューの「英検対策」から「でる順・パス単 英検®準1級」を選んでください。