リーダーとして部下を育成することは、忍耐と時間を必要とする大変な仕事です。あまり理論でガチガチになると、疲れてしまいますね。そんな時には、ゆったり構えていた「経営の神様」松下幸之助の言葉が参考になります。
松下幸之助は丁稚奉公ののち、小さな商店から始め、試行錯誤の繰り返しで世界的企業「パナソニック」を一代で築き上げました。
彼の言葉が、チームのメンバーや部下との接し方のコツ、リーダーの心得や目指すべきものなどの指針を示してくれます。
松下幸之助のリーダーシップについての名言
部下に大いに働いてもらうコツの一つは、部下が働こうとするのを、邪魔しないようにするということだ。
―― 松下幸之助
人間は本来働きたいもの。働くことをじゃましないことが、一番うまい人の使い方である。
―― 松下幸之助
部下の失敗はただ叱れば良いというものではない。失敗を自覚している時には慰めも又必要です。
―― 松下幸之助
人を使うには、ほめて使う、叱って使う、批判して使うなどいろいろあるが、ほめて使う人が概して成功している。
―― 松下幸之助
人の長所が多く目につく人は、幸せである。
―― 松下幸之助
叱るときには、本気で叱らんと部下は可哀想やで。策でもって叱ってはあかんよ。けど、いつでも、人間は偉大な存在であるという考えを根底に持っておらんとね。
―― 松下幸之助
全体で決まったことなので・・・などというのは、責任者として取るべき責任の自覚が欠けている。
―― 松下幸之助
「それは私の責任です」ということが言い切れてこそ、責任者たりうる。
―― 松下幸之助
どんなに悔いても過去は変わらない。どれほど心配したところで未来もどうなるものでもない。いま、現在に最善を尽くすことである。
―― 松下幸之助
とにかく、考えてみることである。工夫してみることである。そして、やってみることである。失敗すればやり直せばいい。
―― 松下幸之助
万策尽きたと思うな。自ら断崖絶壁の淵にたて。その時はじめて新たなる風は必ず吹く。
―― 松下幸之助
深刻な顔をする前に、ちょっと視野を変えてみるがよい。それで悪ければ、また見方を変えればよい。そのうちに、本当に正しい道がわかってくる。模索のほんとうの意味はここにある。そしてこれが出来る人には、ゆきづまりはない。
―― 松下幸之助
誠意や真心から出たことばや行動は、それ自体が尊く、相手の心を打つものです。
―― 松下幸之助
悪い時が過ぎれば、よい時は必ず来る。おしなべて、事を成す人は、必ず時の来るのを待つ。あせらずあわてず、静かに時の来るを待つ。時を待つ心は、春を待つ桜の姿といえよう。だが何もせずに待つ事は僥倖を待つに等しい。静かに春を待つ桜は、一瞬の休みもなく力を蓄えている。たくわえられた力がなければ、時が来ても事は成就しないであろう。
―― 松下幸之助
<参考図書>
『[新装版] 指導者の条件』
松下幸之助が経営者として永年の体験をもとに、組織を率いる者のあるべき姿を説いた本。自分の勉強のための教科書として作られたものです。
日本史上の名君、古代中国の英雄、思想家、近代の世界の政治家らの言行から、著者自身も絶えず反省、検討して見出した「指導者の条件」がまとめられています。
リーダーとしての心得だけではなく、人としての生き方の参考にも。
『松下幸之助から未来のリーダーたちへ』
幸之助研究の第一人者、佐藤悌二郎(さとう・ていじろう)氏による、松下幸之助語録。成功するリーダー思想がわかります。
3000本以上のテープ、100冊の著書、30000点におよぶ文献から、松下幸之助の経営者としての在り方、ものの見方を抜粋。指導者に必要な6つの条件、人を活かす60の叡智に集約されています。
「責任を果たす」「熱意をもつ」「衆知を集める」「人を育てる」「先頭に立つ」「みずからを高める」などについてまとめられ、わかりやすい解説もついています。