心に響く聖書の言葉 狭き門より入れなど名言解説(英語訳付き)

bible-verses-about-sorrow 宗教家の名言

落ち込んだとき、辛いとき、悲しいとき、慰め励ましてくれる名言や、希望を与えてくれる名言を聖書の中から選んでご紹介します。

聖書にはキリスト教徒でなくても何となく分かる部分もあり、独特の言い回しの意味さえ分かれば、心の支えになってくれる名言がたくさんあります。

有名な短い名言を、わかりやすい新共同訳の「現代語訳」、格調高い大正改訳(1950年版2009年校正)の「文語訳」、新国際版聖書(NIV)の「英語訳」とを並べてご紹介します。読み比べをしてみると、補い合って分かりやすくなるのではと思います。

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悲しいとき 心に響く聖書の言葉

Bible Verses about Sorrow

「悲しむ人々は、幸いである」

新共同訳
悲しむ人々は、幸いである、その人たちは慰められる。
文語訳
幸福なるかな、悲しむ者。その人は慰められん。

Blessed are those who mourn, for they will be comforted.
―― マタイによる福音書 5章4節

この世には生老病死の苦しみがあり、悲しみがあります。さらに自分の罪の悲しみがあります。これらを悲しむ人々は、本当に神様を求める人であり、やがては神様より慰めを得られる、本当に幸福な人だといいます。

逆にこれらの悲しみを忘れようとして、一時の快楽を追い求める人たちは、永遠に神様の慰めを得られないということです。

「あなたの荷を主にゆだねよ」

新共同訳
あなたの重荷を主にゆだねよ 主はあなたを支えてくださる。主は従う者を支え とこしえに動揺しないように計らってくださる。
文語訳
なんぢの荷をヱホバにゆだねよさらば汝をささへたまはん ただしき人のうごかさるることを常にゆるしたまふまじ。

Cast your cares on the LORD and he will sustain you; he will never let the righteous be shaken.
―― 詩篇 55章22節

重すぎて背負いきれない荷は、神様が代わりに背負い、支えてくださる。神様を信じて従う者が足をすべらせたり、倒れたりしないように取り計らってくださるということです。

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恐いとき 心に響く聖書の言葉

「恐れるな。あなたがたは、たくさんの雀よりもはるかにまさっている。」

新共同訳
五羽の雀が二アサリオンで売られているではないか。だが、その一羽さえ、神がお忘れになるようなことはない。それどころか、あなたがたの髪の毛までも一本残らず数えられている。恐れるな。あなたがたは、たくさんの雀よりもはるかにまさっている。
文語訳
五羽の雀は二錢にて賣るにあらずや、然るに其の一羽だに神の前に忘れらるる事なし。汝らの頭の髮までもみな數へらる。懼るな、汝らは多くの雀よりも優るるなり。

Are not five sparrows sold for two pennies ? Yet not one of them is forgotten by God. Are not five sparrows sold for two pennies ? Yet not one of them is forgotten by God.
―― ルカの福音書 12章6-7節

神様は非常に安く売られている雀さえ、生きている間には羽毛によって寒さから守り、食べ物を得られるようにし、一羽一羽をお忘れになることはない。

まして人間のあなたがたのことは髪の毛一本に至るまで、いかに大切に配慮されていることか。いついかなる時も神様の守護があなたがたを離れることはないから、恐れなくていい、ということです。

くじけそうなとき 心に響く聖書の言葉

「耐えられないような試練には遭わない」

新共同訳
あなたがたを襲った試練で、人間として耐えられないようなものはなかったはずです。神は真実な方です。あなたがたを耐えられないような試練に遭わせることはなさらず、試練と共に、それに耐えられるよう、逃れる道をも備えていてくださいます。
文語訳
汝らが遭ひし試煉は人の常ならぬはなし。神は眞實なれば、汝らを耐へ忍ぶこと能はぬほどの試煉に遭はせ給はず。汝らが試煉を耐へ忍ぶことを得んために之と共に遁るべき道を備へ給はん。

No temptation has seized you except what is common to man. And God is faithful; he will not let you be tempted beyond what you can bear. But when you are tempted, he will also provide a way out so that you can stand up under it.
―― コリント人への第一の手紙 10章13節

神様は一人一人に選んだ試練をお与えになるけれども、人間として耐えられないような試練に遭わせることはない。耐えられないと思うことも、よく探せば必ず逃れる道が用意してあるから、探すように、ということです。

この「コリント人への手紙」の内容に限って言えば、当時コリントには罪に引き入れようという誘惑が多かったため、神様に頼らず、自分で切り抜けられると思って行動し、結果的に誘惑にのってしまうことのないように、という意味です。
 

「狭き門より入れ」

新共同訳
狭い門から入りなさい。滅びに通じる門は広く、その道も広々として、そこから入る者が多い。しかし、命に通じる門はなんと狭く、その道も細いことか。それを見いだす者は少ない。
文語訳
狹き門より入れ、滅にいたる門は大きく、その路は廣く、之より入る者おほし。生命にいたる門は狹く、その路は細く、之を見出す者すくなし。

Enter through the narrow gate. For wide is the gate and broad is the road that leads to destruction, and many enter through it. But small is the gate and narrow the road that leads to life, and only a few find it.
―― <マタイによる福音書 7章13-14節>

門とは、イエスの門、イエスの指し示す道を意味します。

ヨハネによる福音書 10章9節に、
「わたしは門である。わたしを通って入る者は救われる。その人は、門を出入りして牧草を見つける。」とあります。人々を「羊」に、イエス・キリストを「夜のあいだ羊を入れておく檻(おり)の門と、良い羊飼い」に例えた部分です。

羊は夜間は檻に入れられますが、朝になると羊飼いが一匹一匹、羊の名前を呼んで野に引き出します。羊はこの門を通らなければならない。障壁を乗り越える者は盗人だと説いています。

イエスの教えを守りこの門を通る人だけが救われるのに、これを見い出してこれに入る人は少ない。地位や名誉や快楽を求めて別の道を進む人が多い。だからただ多くの人が行くのを見てそのあとについて行くのではなく、熱心に正しい道を求めることが必要である、と言っています。

アンドレ・ジッドの小説『狭き門』は、この言葉から採ったということです。
 

 

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