チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世の名言「人間は、お金を稼ぐために健康を犠牲にする。……」を英語原文、英単語帳つきでご紹介します。
名言「人間は、お金を稼ぐために健康を犠牲にする。……」
人間に関して最も驚いたことを問われた際、ダライ・ラマは答えた。「人間は、お金を稼ぐために健康を犠牲にする。そして、そのお金を使って健康になろうとする。人間は、将来を心配しすぎて、今を楽しまない。結局、今を生きていないし、将来にも生きていない。あたかも死が訪れないかのように。そして、生きることをしないまま死んでいく。
―― ダライ・ラマ14世（チベット仏教の最高指導者（ノーベル平和賞受賞））
The Dalai Lama, when asked what surprised him most about humanity, answered “Man. Because he sacrifices his health in order to make money. Then he sacrifices money to recuperate his health. And then he is so anxious about the future that he does not enjoy.
―― 14th Dalai Lama
英単語帳
| Dalai Lama | dάːlaɪ lάːmə | 名詞 | ダライ・ラマ＝the Great Lama、チベットのラマ教の教主 |
| humanity | hjuːmˈænəti | 名詞 | 人間、人間性 |
| sacrifice | sˈækrəfὰɪs | 動詞 | を犠牲にする |
| recuperate | rɪk(j)úːpərèɪt | 動詞 | 回復する |
| anxious | ˈæŋ(k)ʃəs | 形容詞 | 心配な、不安な |
| present | préznt | 名詞 | 現在 |
| result | rɪzˈʌlt | 名詞 | 結果 |
よりよい人生を求めてお金を稼ごうと、いつも忙しくしている現代人。つい忙しい毎日に流されてしまっている、ということもあるかもしれません。
幸せになりたくてお金を稼いでいるのに、お金を使ってもあまり幸せになれていない……。必要な分のお金を稼いでいるはずだったのに、あれもこれも欲しいと欲が出て働きすぎに……。
お金を稼ぐために、何を犠牲にしてしまっているのか、どこかで一度、立ち止まって考え直す必要がありそうです。
必要なお金を稼ぐのに、本当に今の方法しかないのでしょうか。崩れ始めた健康が、本当にお金で取り戻せているのでしょうか。さらに言うなら、幸せを感じるのに、本当にお金が必要でしょうか。
いま、お金を必要としている理由も、見栄からということがないでしょうか。
今を楽しんで生きられるようになるために、あなたに必要なものは何か、お金以外で挙げてみてください。
生きがい、家族、友人、笑顔、空と太陽、散歩、歌など、いくらでもあるのに、意識していないと忘れていってしまいがちですね。
ブレないで幸せに生きるために、以下の書籍が参考になるかもしれません。
『ダライ・ラマ こころの育て方』
宗教からは離れ、自己啓発書とも一線を画す、心の持ちよう、考え方について易しく説いてくれる本。
仕事や人生の悩みに際して、人間の心のあるべき姿が示されています。幸せを感じられるこころの育て方が分かります。
『ダライ・ラマ 怒りを癒す』
怒りや憎しみに耐える方法を解説した本。自分の心をコントロールし、鍛える方法を、瞑想法を中心に実践的な形で紹介されています。
『入菩提行論』の詩句の解説では、一つ一つ身近なことを例にとって分かりやすい短い詩句によって語りかけてくる『入菩提行論』が、少しづつ癒しを与えてくれます。
「仏像・仏塔・正法が誹謗され破壊されたとしても 私が怒るのは理に合わぬこと 諸仏などが傷つけられることなどないのだから」などが取り上げられています。
『ダライ・ラマ自伝 (文春文庫) 』
あの優しさ、忍耐と寛容、謙虚さ、冷静さはどこからくるのか、この自伝が解き明かしてくれます。
『ダライ・ラマ大乗の瞑想法』
「慈しみの心」など仏教の精神をしっかり理解し、瞑想法を学べる、仏教実践の教え。
